2022 Fiscal Year Research-status Report
アーベル圏・三角圏の局所化理論の統一化とその表現論的応用
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22K13893
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
小川 泰朗 奈良教育大学, 理数教育研究センター, 特任助教 (70850147)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 三角圏 / アーベル圏 / 完全圏 / 拡大三角圏 / 局所化 |
Outline of Annual Research Achievements |
アーベル圏・三角圏はホモロジー代数的な研究を行う上での確固たる基盤である。両者を統一する概念にextriangulated category(以下、拡大三角圏)がある。アーベル圏・三角圏における既知の事実を、拡大三角圏の文脈に拡張する研究が盛んに行われており、本研究はこの流れを汲むものである。 今年度は、出版論文(共著)1編とarXivプレプリント(単著)1編、および、これに関する学会等での講演を研究実績として報告する。出版論文では、アーベル圏・三角圏の構造究明に欠かせない道具である局所化理論を拡大三角圏に拡張した。続くプレプリントは、この拡大三角圏における局所化理論の複雑さを克服することを目的としたものである。三角圏の局所化で拡大三角圏が得られる場合に限定されるが、既知の局所化と比べても遜色のないほど簡潔な定式化が得られた。これにより、既存の重要な現象(三角圏のt構造のハート、クラスター部分圏による商圏)を、拡大三角圏の枠組みで捉え直すことができた。これが形式的な拡張に留まらず、別の文脈からの応用が見つかったことも重要である。現在、査読中である。以上の成果報告を、国内学会2件、国際学会1件にて行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
出版論文にて、拡大三角圏の局所化の基礎理論が構築でき、これを基盤に研究を進めることが可能となった。実際、これに続くarXivプレプリントを執筆しており、そこで見出した応用は想定以上のものである。本研究の目的の一つは、拡大三角圏の局所化の文脈で、ホモトピー論(より正確にはK理論)との新たな関係性を見出すことだが、まさにこの目的を押し進める切欠を得たと言える。この結果を報告した国際学会にて、ある海外の研究者とそのような方向性で共同研究を進めることになった。現在、執筆中ではあるがarXivなどでの公開には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
既述の通り、拡大三角圏の局所化理論がK理論と深く関わることが分かってきた。現在、進めている共同研究はK理論の観点から拡大三角圏を解釈し直すことを目的としたものである。この種類の研究は、三角圏の場合ですら難しいことが分かっているため、差し当たりかなり限定的な状況を扱う予定である。また、然るべき定式化を与えるには、拡大三角圏の高次元をK理論の視点から再解釈する必要があり、これにはさらに困難が伴うと予想される。 現在のところ、arXivプレプリントで定式化した特定の状況で上手く行くことが分かっており、研究の方向性が大きく間違っていることはないと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度の物品費と合わせて使用する予定である。
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Research Products
(5 results)