2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K13896
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
佐野 昂迪 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30794698)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | オイラー系 / 岩澤主予想 / 非可換 / Heegner点 |
Outline of Annual Research Achievements |
非可換オイラー系と、Heegner点のオイラー系に関する研究を行った。 まず、非可換オイラー系の研究に関しては、King's College LondonのDavid Burns氏との共同研究で行い、よく知られている相対K理論を用いた非可換同変玉河数予想の定式化を、我々が新しく導入した具体的な非可換determinant関手を用いて言い換えた。この結果は純粋に代数的K理論の結果である。次に、オイラー系の典型例であるRubin-Stark元に関して、非可換Rubin-Stark予想を自然に定式化し、それを用いて一般の代数体上の非可換岩澤主予想を定式化をすることに成功した。さらに、Mazur-Rubinと私によって定式化されたいわゆるMazur-Rubin-Sano予想を非可換の場合に一般化し、それを用いて同変玉河数予想を解くための自然な戦略を立てた。 次に、Heegner点に関しては、Bertolini-Darmonのderived heightに関する自然な降下理論を構築した。このことにより、Bertolini-DarmonによるHeegner点に関するp進BSD予想の類似を、p進単数を除いて岩澤主予想から導くことができた。この結果はBertolini-Darmonの予想に関する初めての理論的な結果と言える。また、Agboola-CastellaによるBertolini-Darmon-Prasannaのp進L関数に関するp進BSD予想の類似についても、同様にp進単数を除いて岩澤主予想から導くことができた。Agboola-Castellaは類似の結果を条件付きで示していたが、我々はその条件を外し、証明をより見通しのよいものにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非可換オイラー系の理論を満足のいく形で構築し、また、derived heightやHeegner点に関しても新しい結果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は非可換岩澤理論の研究を引き続き進めるとともに、Heegner点と階数2のオイラー系との関係についても研究を進める。Coleman写像やRubinの公式との関連についても考察していく。
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Causes of Carryover |
多くの研究集会がオンラインを併用して行われ、旅費を使用することがなかったため。次年度は多くの対面の集会に参加し旅費を使用予定である。
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Research Products
(3 results)