2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K13912
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桑垣 樹 京都大学, 理学研究科, 准教授 (60814621)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | シンプレクティック幾何 / 深谷圏 / リーマン・ヒルベルト対応 / 完全WKB解析 / 変形量子化 / 層量子化 |
Outline of Annual Research Achievements |
シンプレクティック幾何は古典力学の相空間の一般化であるので、その量子化の概念を模索することは自然である。いままでにシンプレクティック幾何の量子化の枠組みがいろいろ考えられてきた:幾何学的量子化、変形量子化など。ラグランジアン部分多様体はシンプレクティック幾何での基本的な概念の一つであり、その量子化もいろいろな方法が知られている。 層量子化とはラグランジアン部分多様体のある種の量子化であり、超局所層理論に立脚している。これはラグランジアン部分多様体の変形量子化との関係からWKB解析と関係し、またラグランジュ部分多様体のFloer理論という理論とも関係する。この研究課題では、層量子化の理解を深め、上記の理論との関係を理解し、そしてそれらの理論の橋渡しをすることを目標の一つにしている。 去年度より続く完全WKB解析と層量子化の関係の関手化の研究の論文を書きarXivに投稿した。層量子化の変数tとプランク定数の関係は一層明 確になった。まだ、洗練の余地があるので引き続き研究を行う。また、超局所圏の理論をノヴィコフ環上で展開する論文の一つ目がほとんど仕上がった。層理論に おけるバウンディングコチェインの役割などが明確になり、非完全ラグランジアン部分多様体を層理論的に扱う枠組みの基礎が形作られた。その他にも完全WKB解析やフレアー理論との関係に関する研究及び超局所層の基本的枠組みに関する研究を行った。これらも論文にまとめていく
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シンプレクティック幾何および代数解析双方での層量子化の役割を順調に理解しつつあると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
直近の課題は、Weinstein 多様体上でNovikov環上の超局所圏の理論を作ることである。また、Floer理論と層量子化の直接的な関係ももう手が届きそうなので完成に推し進める。
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Causes of Carryover |
今年度前半は、まだ感染症対策から海外出張を控え、書籍による情報収集を行なっていた結果、差額が生じた。次年度は今年度の分も出張する予定である。
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Research Products
(5 results)