2022 Fiscal Year Research-status Report
対称空間の観点からの Damek-Ricci 空間の一般化とその幾何構造の研究
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22K13919
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保 亮 広島工業大学, 生命学部, 助教 (00755960)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 対称空間 / Damek-Ricci 空間 / Lie 群上の左不変幾何構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は対称空間論の観点から Damek-Ricci 空間の一般化,およびその幾何構造の研究を行うものである.2022 年度は非コンパクト型対称空間内の部分多様体の幾何構造の研究を行った: (1) 非コンパクト実 2-平面 Grassmann 多様体内の然るべき等質超曲面がよい接触構造を持つことを示した.本研究課題の目的の1つは非コンパクト型対称空間内の部分多様体の幾何構造の研究である.我々の先行研究により,非コンパクト実 2-平面 Grassmann 多様体内のある等質超曲面が (κ,μ)-空間と呼ばれる特殊な接触計量多様体であることが示されていたが,今回はその超曲面を変形して得られる然るべき等質超曲面(族)も同様に (κ,μ)-空間であることを示した.なおその事実自体は先行研究によって知られていたが,我々は Lie 環論の観点からの別証明を与えた.非コンパクト実 2-平面 Grassmann 多様体は階数 2 非コンパクト型 (Hermite) 対称空間のモデルとなるものであり,その部分多様体の幾何構造や Lie 環構造が得られたことは,本研究課題において重要であると考える. (2) AI型の非コンパクト型対称空間内の然るべき部分多様体について,その断面曲率について調べた.本研究課題の目的の1つは Damek-Ricci 空間の一般化であるが,その際に一般化した空間が Einstein 性や Hadamard 性(非正曲率性)を持つことを期待している.そのため,Einstein かつ非正曲率な Riemann 多様体の例を調べることは重要である.先行研究により非コンパクト型対称空間内には Einstein 性を持つ部分多様体の例が多く存在することが知られている.そこで,トイモデルとして AI 型対称空間内でそのような部分多様体の断面曲率や幾何構造について調べた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は対称空間論の観点から Damek-Ricci 空間の一般化,およびその幾何構造の研究を行うものである.次の観点から研究は概ね順調に進展していると考える: (1) 対称空間の一般化を考えるうえで,非コンパクト型対称空間そのものの理解を深めることは研究遂行の基盤となるものである.2022 年度は非コンパクト型対称空間内の部分多様体の幾何構造について様々な観点から調べることができた. (2) コロナ禍が終わりつつあり,対面での研究集会の開催や研究打合せの実施が可能となって,これまでよりも有意義な意見交換をすることができ,研究活動に活かすことができた. (3) 非コンパクト実 2-平面 Grassmann 多様体内の然るべき等質超曲面の幾何構造についての研究内容(研究実績(1))をまとめた論文が出版された.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで得られた結果をその他の対称空間内の場合に調べるとともに,それらの結果の統一的な解析を目指す.またそれらの結果をもとに,非コンパクト型対称空間の幾何構造の理解を進める.
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Research Products
(1 results)