2023 Fiscal Year Research-status Report
対称空間の観点からの Damek-Ricci 空間の一般化とその幾何構造の研究
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22K13919
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保 亮 広島工業大学, 生命学部, 講師 (00755960)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 対称空間 / Damek-Ricci 空間 / Lie 群上の左不変幾何構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は対称空間論の観点から Damek-Ricci 空間の一般化, およびその幾何構造の研究を行うものである. 2023 年度は非コンパクト型対称空間のうち, AI 型の対称空間に着目して, その然るべき等質部分多様体の幾何について調べた. AI 型対称空間は対称空間の中では基本的なものの 1 つであり, 他の対称空間を調べるうえでのトイモデルとなりうるものである. 一方で本研究課題では対称空間の観点から Damek-Ricci 空間の一般化を目指しており, その中で「半単純 Lie 群の放物型部分群の可解部分」として知られる可解 Lie 群は一般化の候補として調べるべき対象であると考えられる. 今年度は AI 型対称空間の等長変換群の放物型部分群の可解部分として与えられる可解 Lie 群のクラス (それは自然に対称空間内の等質部分多様体となるが) について, その幾何構造について調べた. 先行研究によりそのような等質部分多様体の幾何構造に関しては, 極小部分多様体であること(外在的幾何構造)や誘導計量に関して Einstein 多様体であること(内在的幾何構造)などが知られていた. 特に内在的幾何構造に関しては Einstein であることから, Damek-Ricci 空間の一般化を考える上で重要な対象であると考えた. そのため今年度はその内在的幾何構造に着目し, そのような等質部分多様体が誘導計量に関して「非正曲率多様体であるか」「対称空間であるか」の 2 点について調べ, これを決定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題は対称空間論の観点から Damek-Ricci 空間の一般化,およびその幾何構造の研究を行うものである. 次の観点から研究はやや遅れていると考える: ・対称空間内の等質部分多様体として「半単純 Lie 群の放物型部分群の可解部分」から得られる部分多様体は非常に興味深い対象である. 今回, その非正曲率性や対称性が決定されたことの意義は大きいと考える. ・一方で今回調べた「半単純 Lie 群の放物型部分群の可解部分」のうち, 非対称空間であって断面曲率が非正であるものは Damek-Ricci 空間の候補となり得るものと考えていたが, 研究の結果, 非正の断面曲率をもつものは対称空間になるものに限られることがわかった. そのため, 別の観点からの一般化を検討する必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で得られた内容を踏まえて, その他の対称空間における「半単純 Lie 群の放物型部分群の可解部分」の幾何について調べると同時に, 「半単純 Lie 群の放物型部分群の可解部分」のさらに部分群の幾何構造を調べるなど, Damek-Ricci 空間の一般化の研究を進める.
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Causes of Carryover |
予定していた出張旅費に変動があったことや備品(消耗品)を効率よく使用することで追加購入を控えたことなどが影響し, 端数が生じたものである. 次年度使用額分については, 共同研究者との研究打合せを増やす予定であり, その経費に充てることとする.
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Research Products
(2 results)