2022 Fiscal Year Research-status Report
On an overdetermined problem for composite materials
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22K13935
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 優決定問題 / 形状間関数 / 陰関数定理 / 楕円型偏微分方程式 / 分岐解析 / 二相問題 / 対称性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度報告する主な研究成果は以下のものである. ① 論文[C., G. Poggesi, T. Yachimura, Nonlinear Anal. 2022] では, Serrin 型優決定問題において, 一相と二相の場合を比較して, 定量的な安定性の評価を与えた. 一相の場合は, 本優決定問題の解が球に限る[Serrin 1971]. 一方で, 二相の場合は非自明な解もまた存在することが知られている[C.-Yachimura 2020]. 本論文では, 二相Serrin 型優決定問題の問題設定が「一相に近い」という仮定の下で, 二相Serrin 型優決定問題の解は「球に近い」という定量的な評価を与えた. ② 論文[C.,T. Yachimura, Current Trends in Analysis 2022]では, [C.-Yachimura 2020] で扱えなかった「退化な設定」(伝導率がcritical value のときに相当する)において, 二相Serrin型優決定問題の解の枝が分岐することを示した. ③ 論文[C., Indiana Univ. Math. J. 2022] では, 「境界上の法線微分の値が平均曲率と比例する」という条件を満たす二相楕円型方程式における優決定問題を考えた. 優決定条件に現れる比例定数によって, 「A) 解は存在しない」, 「B) 解は自明解 (同心球) に限る」, 「C) 自明解に加えて、非自明解もまた存在する」の三パターンの特徴づけを行った. また, C) の場合, 分岐解析を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題に対して相応の進展があった. 特に, 二相Serrin型優決定問題における非自明解の精密な局所解析を行うことができた. また, ここで提唱された解析方法は様々な優決定問題・形状汎関数に適応できることが明らかとなった.
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Strategy for Future Research Activity |
介在物と母体からなる複合媒質における楕円型優決定問題(二相Serrin型優決定問題)の非対称解(非自明解)とこれらを成す族における, より精密な解析を行うことを今後の研究の目的とする. 特に, 非自明解の大域的解析に重点を置いて研究を進める予定である. 具体的には, 以下の課題に挑戦する予定である.① 任意に与えられた一般の開集合(連結とは限らない)を介在物とした解の構成に努める.② 介在物を固定した上で, 解(自由境界)の族が成す(葉層)構造を考察する.③ 界面エネルギー(Kapitza抵抗)を伴う複合媒質におけるSerrin型優決定問題に既存の結果を拡張する.④ 多相設定または異なる優決定条件を考察する.⑤ 本問題で培ったノウハウを他の自由境界問題(流体力学における定常渦の自由境界問題等)に適用する.
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Causes of Carryover |
海外共同研究者との直接的な相互訪問は困難であったため. 令和5年度請求額と合わせ, 令和5年度の研究遂行に有効に使用する予定である.
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Research Products
(8 results)