2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K13936
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中里 亮介 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), 次席研究員 (00910837)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | Hall-MHD方程式 / Herz型空間 / 最大正則性 / 漸近安定性 / 圧縮性粘性流体 / 臨界適切性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. Haas(2005, Phys., Plasmas)の論文内で導出された量子効果を伴うHall-MHD方程式の解の時間大域適切性を, Herz型空間を基調とした臨界Besov空間上で考察した. このモデルはNavier-Stokes-Korteweg方程式と線形構造, 非線形構造が共に酷似しており, 量子修正部分からくる解の平滑化作用を表す最大正則性とHerz型Besov空間上での非線形評価を導出し, 既存の研究で扱われている初期函数よりも原点近傍に強い特異性を持つ函数に対して時間大域解が構成できることを証明した. 2. 1.で述べた量子効果を伴うHall-MHD方程式の解の長時間挙動に関しても考察した. 初期値の低周波帯に付加的なHerz型ノルムの小ささを課すことで, 定数定常状態周りでの解の漸近安定性を証明した. 特に, Herz型Besov空間上での函数の積評価をlimiting caseで導出したことで, 付加的なHerz型ノルムに関する位相を既存の研究よりも弱めることに成功した. 3. 初期値の低周波帯のノルムの小ささを緩和する研究も行った. 従来, Herz型空間は主に積分方程式に現れる積分核の評価に用いられていたが, 積分方程式の意味で解を構成することが難しい圧縮性流体方程式やHall-MHD方程式に対してこの技法は相性が悪い. そこで積分核の具体形を必要としない, エネルギー法をベースとしたHerz型空間上での評価の導出に関して考察し, その応用として, 量子効果を伴うHall-MHD方程式の漸近安定性に対し, 初期値の低周波成分の小ささに関する仮定を一部取り除くことに成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
圧縮性Hall-MHD方程式の臨界適切性をHerz型臨界Besov空間上で証明するために必要な技法として, 非線形評価としては, 函数の積評価, Kato-Ponce型の交換子評価, 圧力部分を制御するための合成函数の評価, また線形部分の評価であるエネルギー法が挙げられるが, 今年度は交換子評価以外の非線形評価についてその導出が概ね完了した. また量子効果を伴うHall-MHD方程式に現れるPlanck定数を0に収束させる半古典極限近似の方法を用いて, Hall-MHD方程式の可解性の正当化が期待されるため, 今回得られた研究成果ではその重要な第一段階をクリアできたことを意味する.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は圧縮性Hall-MHD方程式の臨界適切性を証明するために, Hall効果からくる準線形部分を制御する技法としてKato-Ponce型の交換子評価の導出をHerz型空間上で試みる. また別アプローチとして, Lagrange座標系上でのHall-MHD方程式の数学解析についても考察する. Hall-MHD方程式の解の長時間漸近挙動に関しては, 流体部分の方程式, 例えば, 圧縮性Navier-Stokes方程式やKortewegモデルに関して臨界空間上では未知な部分が多いため, その数学解析から始める.
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Causes of Carryover |
年度末に日帰りで大阪大学へ出張する予定であったが, 現在の所属である信州大学への異動が決定し, 引越しの時期と重なってしまったため出張を先送りにした. したがって残額は共同研究者との研究打ち合わせのための出張旅費に使用する予定である.
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Research Products
(13 results)