2023 Fiscal Year Research-status Report
非線形消散型偏微分方程式に対する解の解析性と大域挙動の解明
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22K13937
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐藤 拓也 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 特別研究員(PD) (80910835)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 消散型非線形シュレディンガー方程式 / 長時間挙動 / 解析性 / 減衰評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
非線形消散効果(非線形オーム効果)を含む非線形シュレディンガー方程式に対して、解の質量が減衰する特別な非線形次数のもと、実解析的なクラスにおける解の最適な質量減衰オーダーを導いた。先行研究により滑らかな解ほどその減衰オーダーは早くなることが知られているが、本研究は無限階微分可能な場合の解の長時間挙動に対応している。証明には方程式の対称性に基づいた擬等角変換を用いることで、従来得られていなかった下からの減衰評価を示した。この結果はAnn. Henri Poincar'e Vol.25, No.2, 1693-1709 (2023) に掲載されている。 北直泰氏とJ.Gerelmaa氏(熊本大)とともに消散型非線形シュレディンガー方程式に対する解の長時間挙動を初期値のサイズの制限なしに導いた。証明では方程式に基づくエネルギー評価式から、解の特異性が消失していることを確認し、エネルギー有界となる先験評価をもって解の長時間挙動を導いた。この結果はJournal of Mathematical Sciences Vol.279, 814-823 (2024)に掲載されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
消散型非線形シュレディンガー方程式の解の最適な質量減衰オーダーを解析的なクラスの枠組みで導くなど、当初の研究目標に沿った成果を得ている。従来、解の長時間挙動が複雑になる特別な非線次数の下では、非線形項を摂動として扱うために初期値にサイズの制限を仮定していた。しかし消散効果を考慮することでサイズの制限が取れつつあり、部分的な解決ではあるが、大きな初期値に対する解の長時間の挙動がわかりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は擬等角変換や可積分性など方程式に基づいた対称性を利用し、引き続き消散型非線形シュレディンガー方程式の解に対する高階導函数の制御と、解の実解析性による冪級数展開を援用し時間大域挙動の精密化を目指す。 さらに得られた解析手法をより一般の消散-分散型偏微分方程式や連立形の問題、初期値境界値問題、磁場付きの問題、離散型の問題に適用させる。
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Causes of Carryover |
前年度に海外の研究集会に出席する予定だったが、諸事情によりキャンセルになってしまった。今年度は2024年度使用額を用いて、海外の研究集会に出席し、自身の研究目標遂行のために海外研究者とコンタクトを取る予定である。
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Research Products
(14 results)