2022 Fiscal Year Research-status Report
Combinatorial designs with cyclic structures for designs of experiments, combinatorial testing, and codes
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22K13949
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
盧 暁南 岐阜大学, 工学部, 准教授 (10805683)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | locating array / covering array / orthogonal array / グループテスト / 組合せテスト / separable matrix / cyclic design / SATソルバー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は主に検査計画問題・実験計画法に現れる組合せデザインに関するテーマに力を入れて,下記の研究を推進した. (1) 検査計画問題について,誤り訂正符号のアイデアを検査計画の組合せデザインに適用して,Error-Correcting Locating Array (ECLA) の概念を提案し,符号理論の手法を用いて誤り訂正能力に関する限界式を導出し,組合せデザイン理論と数論の手法で ECLA の構成法を示した.この成果は情報系の査読付き国際会議 ISIT に発表した.(2) 検査計画問題の適応型検出アルゴリズムの視点から,被覆配列という組合せデザインをテストケースとして利用する場合,初期テストでテストケースに少くとも1つパスとなる必要がある.本研究ではパステストが保証される被覆配列の概念を考案した.また,この被覆配列をグラフの不変量を用いて組合せ論的特徴付けの定式化に成功した.(3) fMRIの実験計画法のための巡回型組合せデザイン Circulant Almost Orthogonal Array (CAOA) について,昨年度まで得られた準差集合の構成法に加えて,差集合を用いた再帰的構成法を提案し,CAOA の新しい無限系列を与えた.(4) 非適応型グループテストを2種類の検体のモデルに拡張し,このための separable matrix というデザインの定式化と特徴付けに成功した.(5) 種々の組合せデザインの構成問題を制約充足問題に定式化し,SATソルバーを用いた求解するアプローチを推進した.関連研究においてこのアプローチは小規模な具体例を作成するために有効であることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,下記の研究成果を得ており,おおむね順調に研究が進展していると考えられる. (1) ECLA 概念の提案,符号理論の文脈を用いた定式化に成功し,一部のパラメータにおける組合せ構造を明らかにし,誤り訂正能力に関する限界式を得ることができた.これらの成果は査読付き国際会議に掲載された.また,有限体・有限幾何学を用いた ECLA の構成法についても考察しており,新たな構成法の提案を目指している.(2) パステストが保証される被覆配列について初期的成果は国内学会で発表した.現在は研究を続けて推進している. (3) CAOA の新しい構成法に関する成果は,国内の研究集会に発表し,現在論文としてまとめる準備を進めているところである.(4) 2種類の検体のための非適応型グループテストにおける separable matrix の研究について成果は国内学会で発表した.現在は研究を続けて推進している. これらの研究成果により,検査計画問題・実験計画法における組合せデザインの研究については順調であると思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は,下記の研究テーマについて,対象とする組合せ問題が共有する数理的・アルゴリズム的特徴に注目しながら研究を推進していきたい. (1) ECLA の構成法:特に巡回性を保つ構成法について,より一般的な成果を得ることを目指す.また,有限体・有限幾何学の手法を用いて,誤り訂正能力の限界に達成できる(または限界に近い)ECLAの構成法を考えて行きたい.(2) パステストが保証される被覆配列:これまで得られた知見に基づき,それらの組合せ構造に注目し,既知のテスト配列の構成法との関係を明らかにしていきたい.また,類似性質をもつ locating array の組合せ構造についても考察してみたい.(3) CAOA:統計的最適性に注目し,その内在する代数的性質と統計的最適性の関係性を解明することを目指す.また,3水準以上の CAOA の組合せ論的構成法と最適性について研究も推進したい.(4) グループテストと組合せテスト:両方の類似性に基づいて,双方向に組合せ構造とアルゴリズムについて研究を進めしたい.また,構成法を構築するために SAT 技術を活用したい.(5) 組合せ符号:巡回型デザインと密接に関係している代数的改ざん検出符号 (AMD符号) に関する研究を行い,本研究に取り組んでいる他のテーマに現れた巡回デザインと内在する関連性の把握を目指す. 研究推進のために,国内外の研究者との研究情報交換を密にし,研究推進を図りたい.特に,海外の組合せ論関係の研究集会に積極的に参加し,情報交換・議論を行いたいと考えている.
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Causes of Carryover |
本年度中に所属機関の変更やコロナの影響により研究集会のオンライン参加のため,年度前半に旅費の利用が予定より少なかった.次年度は積極的に研究集会に参加し,研究成果の発信と情報収集を行いたい.
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Research Products
(9 results)