2022 Fiscal Year Research-status Report
微分代数方程式に対する高速な構造保存数値解法の構築
Project/Area Number |
22K13955
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 峻 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (40849072)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 陰的線形スキーム / 2次保存量 / 構造保存数値解法 / 常微分方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,まず常微分方程式に対して,計算量の小さい構造保存数値解法の研究を行なった.同様の研究は以前から存在するが,本研究では,2次の保存量に対する構造保存数値解法の構成が重要であることに着目し,2次の保存量を保ち,高精度かつ計算量の小さい構造保存数値解法を構成した.この結果を論文にまとめ,採択されている. また,この結果の応用として,上記の手法とScalar Auxiliary Variable (SAV) 法,保存的exponential Runge--Kutta法を組み合わせることで,高精度でありながら計算量の小さい構造保存数値解法が構成できることを確認した.SAV法は,主に偏微分方程式に対して近年盛んに研究されている手法で,補助変数を導入することで計算量の小さい構造保存数値解法を構成する手法である.また,exponential Runge--Kutta法は,線形項をもつ発展方程式に対して,行列指数関数を用いて構成するRunge--Kutta法の変種で,線形項が支配的な場合に有効であることが知られている.本研究では,これらを巧妙に組み合わせることで,高精度でありながら計算量の小さい構造保存数値解法が構成できることを確認し,現在論文を執筆中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,常微分方程式に関する研究が進展した.現段階では微分代数方程式に対して適用はしていないが,その素地は整ったと言える.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に行った常微分方程式に対する研究のさらなる発展を目指す.また,それとともに,微分代数方程式への適用も目指す.
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Causes of Carryover |
今年度は,研究の遂行と論文執筆に重点を置き,研究成果の国際学会での発表や,海外の研究者との交流は次年度以降に主に行う想定で,次年度使用額が発生している.
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Research Products
(10 results)