2023 Fiscal Year Annual Research Report
Novel properties of two-dimensional electrons at the unique (111) interface in perovskite oxides
Project/Area Number |
22K14001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 裕美子 (片山裕美子) 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (60748680)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ペロブスカイト酸化物 / 輸送特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では(111)配向性をもつペロブスカイト酸化物薄膜を作成し、疑ハニカム構造をとるヘテロエピタキシャル界面、固-液界面におけるキャリア濃度、スピン 軌道相互作用を制御することにより、新奇物性を探索することを目的としている。 SrNbO3について、(001)および(111)配向性薄膜の測定を行った。SrNbO3金属薄膜の特性を見るため、界面伝導の生じないLSATを基板として用いた。(001)面方位上では、3~10 nmの膜厚領域において、磁気抵抗の測定結果が弱反局在をしめした。磁気抵抗の解析により、本薄膜においては、D’Yakonov-Perel機構に基づくRashba効果が支配的であることが示唆された。見積もられたRashbaパラメータは、1×10^-12 eVm程度となり、単体の酸化物薄膜において報告されている値としては最大となった。(111)基板上については、同様に膜厚依存性試料を作製し、膜厚低下による金属-絶縁体転移を観測した。極薄膜領域では、弱局在、弱反局在が観測されており、解析を進めている段階にある。 SrTaO3については、(001)(111)LSAT上に基板温度、膜厚を制御して成膜を行った。膜厚低下に伴う金属絶縁体転移を観測した。配向性については(001)は30 nm付近で移動度最大値を示した。これは、膜厚がある閾値(30 nm)を超えると、結晶性が低下することを示唆している。SrTaO3自体の作成例の報告は希少であるため、外部情報発信の準備を進めている。
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