2022 Fiscal Year Research-status Report
核形成反応に着目したアミロイド線維形成と関連生体因子の研究
Project/Area Number |
22K14013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 吉太郎 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (20867337)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アミロイド線維 |
Outline of Annual Research Achievements |
アミロイド線維の核形成反応に関連する生体因子の探索を新潟大学医歯学総合病院との共同研究として、実験的に行った。研究には、長期透析患者に特異的なアミロイドーシスである透析関連アミロイドーシスの原因蛋白質であるβ2ミクログロブリンと実際の透析患者血清を使用し、そのアミロイド線維形成反応を自作した超音波アミロイド分析装置で解析した。系統的な実験で得られた結果より、血清中に存在する血清アルブミンが血清中におけるアミロイド線維形成に対する防御機能において重要な役割を果たしていることを明らかにすることができた。透析患者血清中では透析治療に伴う炎症反応により、血清アルブミンの濃度が低下することが知られている。そのため、この結果は、透析患者に特異的な合併症である透析関連アミロイドーシスの予防のためには、炎症反応を低減することや、栄養管理により血清アルブミンの濃度低下を防ぐことが重要であることが示唆された。本研究の成果は、2022年10月にNature Communicationsに"Macromolecular crowding and supersaturation protect hemodialysis patients from the onset of dialysis-related amyloidosis"というタイトルで発表しており、アミロイドーシス研究者が集う国内外の多くの学会で発表した。また、現在は、共同研究者である臨床医の方々と協議し、さらなる展開を探っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
3年間のプロジェクトであるが、その一年目に国際的にインパクトの高いNature Communcationsに該当研究の成果を発表できたのは、予想以上の進展である。一連の整合性のある実験結果を得ることもでき、今後のさらなる発展が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、多くの臨床検体に対して独自開発した超音波アミロイド誘導装置を用いて、研究を展開していく。また、抽出した生体因子の濃度のみではなく、質的な変化にも注目し、研究を展開していく計画である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの影響により、いくつかの物品の納期遅れや出張のキャンセル等が発生したため、翌年度以降に予算を繰り越し、従来の目的にそぐう形で次年度に予算を使用する計画である。
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Research Products
(3 results)