2022 Fiscal Year Research-status Report
Testing theories of gravity on cosmological distance scales by searching for polarization modes in the gravitational wave propagation
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22K14037
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
武田 紘樹 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD) (00912809)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | 重力波 / 重力 / 一般相対性理論 / 修正重力理論 / 拡張重力理論 / 重力理論検証 / 偏極モード / コンパクト連星合体 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は重力波の偏極モード探査によって、重力理論を検証することを目的としている。これまでのコンパクト連星合体からの重力波を用いた検証では、それぞれの偏極モードが波形補正なしで個別に探査されてきた。しかし、実際の拡張重力理論では、重力波は偏極モードの混合になっているため、このような探査では、現実の拡張重力理論を検証することができない。そこで、双極子放射スカラーモード、四重極放射スカラーモード、テンソルモードからなる波形モデルを構築し た。この際、余分なエネルギー損失による連星軌道運動の補正を考慮した。この波形モデルを用いて観測データを解析することで、GW170814とGW170817に対して強重力場域において初めて一般相対性理論と矛盾しない制限を付加的な偏極モードに与えた。そして、第五の力の実験など太陽系実験による制限をもとに、スカラーモードを地上の重力波望遠鏡ネットワークで検出する可能性について検討した。特に、偏極モードの変換を伴う一般的な重力波の伝播について定式化し、エネルギーの増幅の可能性について考察した。結果的に、波形の補正を伴わずにエネルギーを増幅することが困難であることを示した。重力波の位相進化に対する制限は余分なエネルギー損失がテンソルモードと同程度以下であることを示している。この観測事実と太陽系実験による重力ポテンシャルに対する制限を組み合わせることで、許されるスカラーモードの振幅は地上重力波望遠鏡の検出限界と同程度であることを示した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに、拡張重力理論における重力波の伝播現象を偏極モード間の変換まで考慮して定式化した。これをもとに、重力波の偏極モードが伝播過程で変換する可能性について検討した。そして、これらと重力波の位相に対する観測的制限、重力ポテンシャルに対する太陽系実験の制限を組み合わせることで、スカラーモードの地上重力波望遠鏡ネットワークによる観測可能性について議論した。さらに、現在までにスカラーモードなどの付加的な偏極モードの存在が一般相対性理論による解析に与える影響について検討を進めている。以上のような実績を踏まえ、おおむね順調に進展していると判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、コンパクト連星合体からの重力波の生成、伝播、そして観測に至るまでの一連の過程を実験的・観測的制限を考慮することで検討し、スカラーモードの検出可能性について検討することができた。しかし、重力波の伝播速度を光速に限って議論している。2023年度は、この条件を緩め、より一般的な状況での重力波の偏極モードの伝播について検討する。さらに、付加的な偏極モードの存在が一般相対性理論による解析に与える影響について系統的に調べる。これは、偏極モード検証におけ る重ね合わせ手法の確立にも必要な要素となっている。
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| Causes of Carryover |
研究成果発表のために参加予定だった国際会議が他の会議と被ってしまい参加できなかった。そのため、次年度使用額が発生した。来年度は参加できる予定のため、参加費用に充てる計画である。
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Research Products
(26 results)
