2023 Fiscal Year Research-status Report
Formation process of stellar streams investigated using N-body simulations
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22K14076
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
桐原 崇亘 筑波大学, 計算科学研究センター, 研究員 (50881728)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 銀河進化 / 恒星ストリーム / 恒星ハロー / 重力多体シミュレーション / 理論天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
銀河を取りまく恒星ハローは、過去に銀河に降着した星団や衛星銀河が壊されて形成されてきたと考えられている。衛星銀河がホストの銀河により十分に潮汐破壊されると、スムースな恒星ハローを形成するのに対し、未だ力学的に緩和していない場合には帯状の恒星分布(恒星ストリーム)やシェル状の恒星分布として観測される。すばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラ(HSC)やGaia衛星等による近年の銀河系および近傍銀河のハローの詳細観測により、ハロー中の恒星ストリームおよび恒星ハローの全貌が明らかになりつつある。研究代表者による数値計算と最新観測とを組み合わせることで、これらの構造の性質や形成過程に迫る。本年度の主な研究実績は以下の通りである。 (1) 銀河の潮汐相互作用に関連して、星の潮汐相互作用に関わる数値シミュレーションを実施し、査読付き学術論文誌に掲載された。 (2) NGC5139 (Omega Centauri)と関連する潮汐残骸に関する研究を実施した。NGC5139は銀河系で最大質量を持つ球状星団として認知されている。しかし、銀河系との相互作用で大部分が潮汐破壊され、多くがハロー星となっている可能性がある。申請者は、母天体をモデル化し銀河系との相互作用計算により、どのように銀河系ハローに残骸が分布しているかを調査した。観測との比較を行った成果について、査読付き学術論文誌への投稿に向けて論文を準備中である。 (3) HSCを用いたアンドロメダ銀河およびその隣接銀河であるM33のハロー領域の詳細な観測により、壊された衛星銀河の詳細な分布及び恒星ハローの構造が明らかとなった。これらの成果については2編の共同研究論文として査読付き学術論文誌に投稿し、現在査読中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続き、NGC5139に関する潮汐残骸の分布及び形成過程に関する研究を遂行した。本研究で構築したNGC5139の母天体モデルと銀河系との相互作用の数値シミュレーションを様々なパラメータで実行した。観測側ではGaia衛星による全天観測により得られた星の運動学的情報と金属量情報に対して、機械学習を用いて、現在のNGC5139の祖先天体起源と期待される星を選別した。本研究課題で実施した数値シミュレーションと最新観測を比較することで、NGC5139および潮汐残骸の起源に迫る。本成果については国際共同研究として査読付き学術論文誌への投稿に向けて論文を準備中である。また、すばる望遠鏡HSCを用いたアンドロメダ銀河の恒星ハロー中のサブ構造および、M33恒星ハローに関する成果を得た。本研究課題は、観測データの取得状況と合わせながら柔軟に研究を遂行するという特性がある。そのため、観測データのアップデートは、本研究課題のシミュレーション研究にとっても非常に有益である。以上を総合して本研究課題の進捗状況についてはおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、銀河のハロー中に観測される潮汐構造の形成過程を、数値シミュレーションと詳細観測を組み合わせて解き明かすことである。当該年度は観測的研究の大幅なアップデートがあった。特にアンドロメダ銀河では、3次元空間および金属量空間も含めてハロー構造の全貌が分かるようになってきた。2024年度も継続的に銀河と衛星銀河や星団との相互作用の数値シミュレーションと詳細観測を組み合わせて本研究計画を進めていく。銀河の重力場により壊される母天体からの質量流出が、潮汐ストリームの形状および恒星ハローの形成にどのような影響を与えるのかについて詳細に迫る。
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Causes of Carryover |
本年度に査読付き学術論文誌に投稿していた論文および投稿予定だった論文の掲載費を支払うために、掲載費程度の経費を残していた。しかしながら、当初の想定よりも時間がかかり、年度を跨いだため次年度使用額が生じた。次年度使用額を論文掲載費にあてて、翌年度分として請求する助成金は、研究計画遂行に必要な計算機や研究データを保管するストレージの購入に使用する。また、研究成果の発表や議論のための出張旅費および新たに投稿する論文の掲載費等に使用する予定である。
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[Presentation] The nature of M31/M33 stellar halos explored by Subaru/HSC & PFS survey2024
Author(s)
Itsuki Ogami, Masashi Chiba, Yutaka Komiyama, Mikito Tanaka, Rosemary F. G. Wyse, Carrie Filion, Evan N. Kirby, Puragra Guhathakurta, Masao Mori, Takanobu Kirihara, Masayuki Tanaka, Miho N. Ishigaki, Kohei Hayashi, and the PFS Galactic Archaeology working group
Organizer
日本天文学会2024年春季年会
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[Presentation] The Most Concentrated Quasars Revealed by Subaru HSC and PFS at z~22024
Author(s)
Y. Liang, M. Ouchi, N. Kashikawa, Z. Cai, X. Fan, D. Sun, H. Yajima, T. Kirihara, K. Nagamine, H. Zhang, M. Li, R. Shimakawa, M. Tanaka, M. Onoue, J. X. Prochaska, T. Izumi, K. Ito, K. Shimasaku, J. Silverman, D. Shi, F. An, C. Zhu
Organizer
日本天文学会2024年春季年会
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