2022 Fiscal Year Research-status Report
Water patitioning between plagioclase and silicate melt and influence of melt structure
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22K14087
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
村上 望 (近藤望) 岡山大学, 惑星物質研究所, 特任助教 (70824275)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 斜長石 / ケイ酸塩メルト / 水の分配 / 含水量計 / メルト構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球や月、火星といった岩石惑星・衛星の地殻岩石における主要鉱物のひとつであり、苦鉄質から珪長質まで幅広い組成の珪酸塩メルトから晶出するため、メルトの組成変化(メルトの結晶分化や混合など)の過程を読み解くうえで重要な鉱物である。斜長石は無水鉱物とされるが、含水メルト中で晶出した斜長石には微量の水が含まれることが知られており、斜長石の含水量から親メルト(斜長石が晶出したマグマ)の含水量を見積もる手法が近年注目されている。2022年度は珪長質メルト-斜長石間の水の分配実験を進めるとともに、珪長質ガラス(急冷メルト)の構造について、動径分布関数解析を行った。これまでの先行研究では、斜長石とケイ酸塩メルト間における水の分配実験データが苦鉄質組成のメルトに限られていたため、本研究によりメルトの組成変化が水分配に与える影響が議論できるようになると考えられる。また、メルトの構造解析も同時に進めることで、メルトー斜長石間の水分配のメカニズムを議論していくことが可能になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年4月から所属の移動があったため、実験環境の変化等から進捗は少々遅れている。現在は実験環境を整え、順調に研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は引き続き、珪長質組成から苦鉄質組成の異なるケイ酸塩メルトと斜長石の間の水分配実験を進める。同時に、ケイ酸塩メルトの構造測定と、含水メルトの粘性測定実験を進める。そして、ケイ酸塩メルトの組成(構造)が水分配に与える影響とそのメカニズムを議論する。
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