2022 Fiscal Year Research-status Report
Planetesimal formation in evolving disks
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22K14091
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
兵頭 龍樹 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 国際トップヤングフェロー (20814693)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 原始惑星系円盤 / 惑星探査 / 惑星形成 / 小惑星 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、時間経過に伴って温度、圧力、化学組成が変化する原始惑星系円盤において微惑星が形成される素過程を理解することを目指しています。そのためには、円盤内での固体成分とガス成分の相互作用や蒸発/凝縮による相変化、物質の化学進化を適切に扱う必要があります。数値計算と理論的アプローチを用い、この問題に取り組んでいます。本研究の成果は、世界の宇宙機関による惑星探査や天文観測で得られるデータに科学的な解釈と理解を提供することができます。
当該年度には、数値計算コードの開発を効率的に進めるために、凝縮物理を専門とするフランスの研究チームと対面で議論を行うためにパリ地球物理研究所 (IPGP)に渡航しました。特に、岩石の昇華と凝縮を適切に扱うことのできるコードの開発を行いました。さらに、この計算コードを白色矮星周りの円盤進化の研究に応用しました。この結果は、査読付きの国際学術誌に投稿され、出版されています(Okuya、Ida、Hyodo、Okuzumi、2023、MNRAS 519, 1657; http://doi.org/10.1093/mnras/stac3522)。
また、当該研究分野(惑星科学)により広く一般的に貢献するために、本研究を発展させ、形成された微惑星や小惑星の力学進化に関する理論研究を進めました。この成果は、査読付きの国際学術誌に投稿され、出版されています。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
数値計算コードの開発は順調に進んでいる。さらに、開発した計算コードをある具体的な研究テーマに応用し、その結果を査読ありの国際学術誌に素早く出版している。
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Strategy for Future Research Activity |
円盤内で起こりうる物質の化学進化・力学進化には多様性と複雑さがあり、現状の数値計算コードでは、シンプルな仮定を用いて限定的に解いている箇所が存在する。今後もフランスの研究チームと積極定な議論および共同研究を進めることで、数値計算コードのさらなる開発および解析を効率的に進める。
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Causes of Carryover |
残金の有効な使用方法がなかったため、次年度の計算機資源(少額消耗品など)の購入に使用する。
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