2023 Fiscal Year Research-status Report
Design of curvilinear CFRP structures for reduction of vibration magnification at resonance frequencies
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22K14149
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
水上 孝一 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 講師 (20794019)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 3Dプリンティング / アコースティックブラックホール / 炭素繊維複合材料 / 複合材料 / 振動減衰 / 弾性波 / メタマテリアル |
Outline of Annual Research Achievements |
繊維複合材3Dプリンティングによってもたらされた新たな設計自由度を用いて,共振ピークを低減することが可能な機能複合材料を開発した.炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が弾性率に強い異方性を有することを利用した曲線繊維アコースティックブラックホール(ABH)構造という新規構造を提案した.この構造は,厚さ変化と繊維配向変化により端部にかけて剛性変化を有するはり構造であり,カットオン周波数と呼ばれる特定周波数以上で曲げ弾性波の反射率を大きく低減できる.はりや板材の共振は反射波どうしの強め合いで起こることから,反射率低減によって共振ピークを低減できる.曲線繊維ABHはりの変位分布,カットオン周波数,反射率の解析解を導出し,この構造の設計法を確立した.また,材料の異方性粘弾性物性を考慮した有限要素法解析を行い,提案構造の周波数応答を調査した.カットオン周波数以上で反射率が低減するのに対応して,各共振ピークのモード損失係数が増大していくことを確認した.また,提案構造が一様厚さの一方向CFRPはりよりも著しく高いモード損失係数を有することを示した.曲線繊維ABHはりは主構造部の高剛性と低カットオン周波数を両立するということが明らかになった.さらに,CFRP繊維直交方向の損失正接が繊維方向のものよりも高いことから,繊維配向角の適切な設計がモード損失係数の増大に寄与していることも示唆されている.繊維配向角の不連続な変化を有するABH構造との周波数応答の比較により,曲線繊維で実現可能な滑らかな剛性変化は広帯域での反射率低減に寄与していることも明らかになっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで開発していたバンドギャップ型の3Dプリント繊維複合材構造に加えて,曲線繊維アコースティックブラックホールはりの解析的モデリング,設計および数値解析による検証を完了させることができた.これらの構造の性能向上に繊維複合材料の適用が有効であることが明らかになっており,本研究課題は順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,曲線繊維アコースティックブラックホールはりの共振ピーク低減効果を実験により検証する予定である.これまで任意の曲線繊維配置が可能な3Dプリンターを作製しているため,これを利用してサンプルを印刷する.また,高剛性と低周波数域の振動減衰性能を両立させたバンドギャップ型の複合材メタマテリアル構造も引き続き開発していく予定である.
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Causes of Carryover |
アコースティックブラックホール構造の3Dプリンティングと実験検証を次年度に行うこととなったため
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