2022 Fiscal Year Research-status Report
自律制御型微粒子含有液滴生成デバイスの開発と微小液滴生成メカニズムの解明
Project/Area Number |
22K14159
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
岡本 俊哉 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00909294)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 遠心マイクロ流体デバイス / デジタルELISA / 液滴形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、定常回転で動作する微粒子含有微小液滴の生成デバイスの開発とそのメカニズム解明を目標としている。微粒子含有微小液滴の生成は、デジタルELISAといった超高感度な化学分析や、単一細胞の解析などの要素技術として応用可能である。これを定常回転で動作する遠心マイクロ流体デバイスで実現することで、簡便にその技術を利用することができるようになり、バイオ分野の発展や人々の健康維持に大きく貢献することができる。本年度は、その基盤技術となる微小液滴の生成プロセスの検討を行った。 生成の目標とするピコリットルオーダーの大きさの液滴では、遠心マイクロ流体デバイスで印加されるおよそ100Gの遠心場においても、表面力の影響を大きく受け、液体の挙動は、液体や流路の表面物性の影響が支配的となり、液滴を形成する微細構造に液体が入らない問題が生じた。そこで、細部へ侵入しやすい油相を予め微細構造へ導入し、その後、目的の液体を導入し、液体を置換することで、微細構造内へ液体を導入するというプロトコルを考案した。そして、このプロトコルを実行するデバイスを作製し、狙い通り、微細構造内に液体を導入可能であることを実証した。また、微小液滴を生成する容器も約1マイクロリットルと小さく、高精度な液体制御技術が必要となった。そこで、従来のサイフォンバルブを利用した液体の水位制御による液体置換方法を応用し、気液界面の制御部をさらに設けることによって、この微小な容器においても、液体置換を実行可能であることを実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
複雑な微細構造中では、液体が想定以上に複雑な挙動を示し、当初想定していた原理では液滴を形成できなかった。これにより、液体の置換機構を実装することが必要になり、その検討を行ったため、進捗がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
液滴を形成のコンセプトを実証し、その後、液滴形成条件を検討する。また、液体に微粒子を懸濁し、微粒子含有液滴の生成を目指す。そして、本研究で検討を行う微細構造を用いた微粒子含有液滴生成技術の優位性を、確率論と比較することで評価する。そして、デジタルELISAを実行し、その評価を行う。
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