2023 Fiscal Year Annual Research Report
オールダイヤモンド冷却構造のための微細加工法および最適構造の探索
Project/Area Number |
22K14163
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松前 貴司 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (10807431)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 微細金型 / ダイヤモンド / ニッケル / エッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度Ni箔を用いてダイヤモンドをエッチングできること示した。本年度は1,5,10,50マイクロメートル幅のパターンを持つナノインプリント用のNi微細金型を、ダイヤモンド基板に1000℃でプレスすることでエッチングを試みた。本研究では温度やNi基材の厚さを増加させることでダイヤモンドのエッチング速度が向上することが分かった。さらに微細金型を使用することで5マイクロメートル幅 1マイクロメートル深さのフィン構造などが得られることを示した。1マイクロメートル幅のパターンは消失しており、これはサイドエッチングによるものと思われる。 またNi金型とダイヤモンドの高温加熱後に室温に冷却することで、Ni/ダイヤモンド間にグラファイト層が析出し、その後再度1000℃に加熱することでダイヤモンドがNi金型から剥離することが分かった。これは脆弱なグラファイト層がNiとダイヤモンドの熱膨張係数差による応力により剥離したと考えられる。これによりNi金型が簡易に剥離できるように成れば、高価な微細金型を用いたエッチングが繰り返し実施可能になると期待できる。 加えて導電層が成膜されたダイヤモンド基板による交流磁場の遮蔽について評価した。2E16/cm3の濃度でボロンがドープされた導電層を1 マイクロメートル厚成膜されたダイヤモンド基板を用いた。これに50Hzの交流磁場を透過させたが、絶縁ダイヤモンド基板と比べて有意な磁場の低減は見られなかった。磁場遮蔽効果を高めるには、より低抵抗な導電層を厚くもつダイヤモンドを使用する必要がある可能性がある。
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