2023 Fiscal Year Research-status Report
深層学習を用いた均質媒体モデルをベースとする高精度キャビテーションモデルの確立
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22K14182
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
鶴 若菜 佐賀大学, 海洋エネルギー研究所, 助教 (70823889)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | キャビテーション / 均質媒体モデル / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
キャビテーション予測手法の高精度化のため,キャビテーション初生に関わる重要因子についての研究を実施している.令和5年度は,数値シミュレーションにより,気泡核の数密度および初期サイズ,入口境界における乱流強度の異なる条件での初生キャビテーション数および初生位置(キャビティ前縁位置)を調査した.令和4年度は,底面に円弧状の凸部をもつ二次元縮小・拡大流路で調査を行ったが,令和5年度では流路拡大部の剥離低減のため,喉部上流の流路縮小部のみ円弧形状とし,流路拡大部は約8度の直線状とした.その結果,気泡核数密度については,数密度が小さいほど初生キャビテーション数は小さく,キャビティ前縁位置は下流側になることが確認された.一方,気泡核の初期サイズおよび入口境界の乱流強度の違いについては,本調査範囲において大きな差異は見られなかった. 機械学習および深層学習により,数値計算により得られた結果を基に,初生キャビテーション数およびキャビティ前縁位置の分類を行い,相関関係の強い因子の抽出を行うコードを作成した.さらに,流路形状,レイノルズ数,気泡核,乱流強度の異なるデータ数を増大させ,精度向上を図った.また,データベース作成コードとデータ処理コードについて,圧力などの空間分布全体だけではなく,キャビテーション発生予測において重要となる位置や各位置における予測の精度を調査するためのコード作成に着手した.加えて,実験装置を製作した.また,今後,様々な流路および流量で実験を行うための再設計を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に引き続き,実験装置製作に必要な機器の納期が大幅に遅れ,実験の進捗に遅れが生じた.また,深層学習を用いたキャビテーション初生の解析コードを作成したが,精度の向上が必要であり,データ数の増大に予定以上の時間がかかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は,深層学習により抽出されたキャビテーション初生と強い相関のある因子を明らかにし,均質媒体モデルを基にした高精度キャビテーションモデルの構築を行う予定である.そのため,各因子のキャビテーション初生を誘起するメカニズムを明らかにし,そのメカニズムを踏まえた数値モデルを構築する.また,モデルの検証のため,新たな流路での実験および数値計算を行い,比較・評価する.
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Causes of Carryover |
より高流量で実験を行うため,新たにポンプを購入したが,納期が遅れ,年度内に間に合わなかったため,次年度使用する.
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