2022 Fiscal Year Research-status Report
Application of External Electric Fields to Clarify the Dynamics of gas flow in Atmospheric Pressure Plasma Jet
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22K14185
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
山田 大将 長野工業高等専門学校, 機械ロボティクス系, 准教授 (80825141)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大気圧プラズマジェット / シュリーレン光学系 / 外部電場印加 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,様々な分野で使用されている大気圧プラズマジェット(APPJ)とガス流の密接な関係に着目し,ダイナミクス理解を進めることによりAPPJ制御や活性種の効率的輸送を目指す.希ガス等の作動ガス流への高電圧印加により生成されるAPPJが作り出す各種応用で重要な活性種はガス流により処理対象へと輸送される.また,プラズマ中の荷電粒子は,電場加速によりガス流を構成する中性粒子へと衝突し,ガス流へと作用する.この作用は,ガス流の乱流化等を誘起し,プラズマの大きさにも影響を与える.この様にAPPJとガス流は相互に関わっているが,そのダイナミクスの理解は十分ではない.そこで,APPJに外部電場を印加し荷電粒子の動きを分かりやすくした状態で,シュリーレン観察や高速度カメラ撮影,分光法等のプラズマ計測を駆使して,「何が・どのように」ガス流へ影響を与えているかを特定することが本研究の目的である. 2022年度の研究では,シュリーレン計測を行いながら発光分光計測及び質量分析計測を行うことができる実験系を開発し,その実験を行った.この実験では,同一の外部電場印加条件下であっても異なるガス流挙動を示すことが過去の研究で分かっている3つの条件で生成したプラズマを用いた.具体的には,①両極性の正弦波,②正極性の正弦波,③負極性の正弦波の電圧を電極に印加してプラズマを生成した.その結果,条件により発光分光計測結果は大きく変化することが明らかとなった.特に,酸素原子等の酸素系活性種と窒素イオン分子等の窒素系活性種では,条件による発光強度の変化が異なる挙動を示していた.この変化は当初予定していた傾向とは異なっており,前述の①と②はガス流屈曲方向が同一であるため,発光も同様の傾向を示すことを予想していたが,発光分光計測では①と③の条件が同一の傾向を示した.この結果についてはより詳細に今後評価を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度の研究では、ガス流挙動の可視化計測及びストリーマ伝播の同時計測を実施予定であり、2022年度中に新規で購入予定のイメージインテンシファイアユニットを用いた新たな実験系を作成予定であった。しかし、このユニットの納品が遅くなり、2023年度中になることが決まり、予定していた実験系の開発を終えることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究では,遅れている装置の納入が年度内前半には完了予定のため,それを待って至急実験系の改良を行う予定である.加えて,2022年度の研究で明らかとなったプラズマの発光への影響についてより詳細に実験を行っていく.2022年度の研究では,プラズマの発光分光計測時は,プラズマ装置のノズル出口から1 mm程度離れた直径1 mm程度の領域に計測点が来るように光学系を固定し,計測・分析を行った.しかしながら,外部電場印加条件下ではガス流挙動が変化し,ガス流に沿って生成されるプラズマの生成領域にも影響が生じる.計測点を固定している今回の実験では,プラズマ生成領域の変化が計測へと大きく影響することも示唆している.したがって,この影響を排除するために,発光分光計測を行う点を増やし,複数点の計測におり,プラズマ発光を2次元的に評価することを予定している.この計測を行うことができれば,2023年度に組み込み予定のイメージインテンシファイアユニットにより計測するストリーマ伝播の時空間発展情報と,プラズマ特性の空間分布の対比が可能となる.
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Causes of Carryover |
購入予定であったイメージインテンシファイアユニット(約300万円)の調達が,2022年度内に間に合わなかったため,2023年度使用額に回っている.予定通りイメージインテンシファイアユニットの購入に使うことが決まっている.
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