2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of rheometer for evaluating broadband scale rheology based on kinematic rheometry
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22K14186
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
芳田 泰基 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (40908810)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | レオロジー / レオメータ / 超音波 / 流速計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の達成目標である,「ブロードバンド型レオメータ」の実現に向けて,①超音波流速計測技術の更新,②超音波スピニングレオメトリ技術の更新,③ブロードバンドな計測を目指した新方式の開発,という個別のプロジェクトを立案し,並行して取り組んでいる. まず,①超音波流速分布計測技術について,超音波トランスデューサーによって発信されるパルス波形を三次元的に高精度校正できる評価システムを構築した.この校正システムを用いることで,個体差等が懸念される超音波トランスデューサーの伝播特性(例えば,放射角度や,ニアフィールド距離,ケーシング軸との傾き)について高精度に評価でき,流速計測において起こりうる計測誤差による影響を極力排することができるようになった.本内容については,国際誌(Measurement)にて採録予定である. 次に,②超音波スピニングレオメトリ(USR)技術の更新について,USRはこれまでオフライン評価でのみ応用性の検討が進められきた技術であるが,比較的大型な貯蔵タンク内に設置できる評価形式に更新した.これによって,貯蔵タンク内で起こりうる,化学反応による物性の変化や,温度変化等,サンプルを取り出すことなく直接評価できるようになる.本内容については,国際誌(Industrial & Engineering Chemistry Research)において採録済みである他,化学工学会のSIS部会において研究奨励賞を受賞に至っている. ③ブロードバンドな計測を目指した新方式の開発について,計測原理の構想段階から,実験的検証の段階に移行し,現在制御系・計測系のシステム構築を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記において設定した①~③において,概ね当初の予定通りの進捗状況であるとともに,①においては超音波パルスエコー評価のための装置を構築できた.①②については,論文が掲載され,今後派生した内容で2報投稿の予定がすでに立っている.③については,実験検証のために慎重に進める必要があると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では,①で構築した超音波パルスエコー評価装置を用いることで,超音波トランスデューサーの設計開発への応用を拡大させる.具体的には,超音波トランスデューサーの計測性能の向上と,ブロードバンド型レオメータへの最適化を構想している.これについての課題は,超音波計測における時間・空間・速度分解能を如何に最適化していくかということに尽きる.検討段階故,詳細の記述は避けるが,本研究グループでの超音波スピニングレオメトリの既報における開発段階よりは,向上させられる可能性はすでに見出されている.可能性の実現に向けて,解析アルゴリズムの開発をすすめる計画を立てている.
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