2023 Fiscal Year Research-status Report
二酸化炭素吸収促進に向けた高時空間光学計測による気液界面対流不安定性の解明
Project/Area Number |
22K14187
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神田 雄貴 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (00885874)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 二酸化炭素 / CCUS / 対流不安定性 / 光学計測 / 熱物質輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、独自の高時空間分解能な光学計測手法を用いて、二酸化炭素-アミン気液界面での熱物質輸送現象や対流不安定性によるフィンガリング現象を定量計測および数値モデル化し、対流不安定性の発生メカニズムを明らかにすることで、二酸化炭素分離・回収の高効率化に貢献することを目的としている。 前述の目的を達成するために、本年度は当初の研究計画を再考し、第一の目標であった位相シフトマイケルソン干渉計での可視化に先行して、第二の目標である、気液界面近傍における非定常熱物質輸送の高時空間分解能計測と律速の解明に着手した。 実験では位相シフト干渉計を用いて二酸化炭素吸収時の気液界面近傍における非定常熱物質輸送を評価した。本研究では比較として二種類のアミン溶液(モノエタノールアミン(MEA)、N-メチルジエタノールアミン(MDEA))を用いた。実験の結果、二酸化炭素導入から数秒の時間スケールで気液界面近傍の物質拡散による密度場が乱れ、対流不安定性が生じることを確認した。また二種の溶液の粘性や反応速度の違いから、対流不安定性が界面近傍に生じる時間や反応物のプルーム沈降速度が異なることが確認できた。さらに気相の二酸化炭素圧力の増加によって、二種の溶液において共に対流不安定性の発生時間が短縮し、プルーム沈降速度も増加することが分かり、気相の昇圧が対流不安定性に影響することが示唆された。また二種の溶液における圧力依存性を比較すると、MDEAと比較してMEAでは圧力増加に伴う対流不安定性の影響が小さいことが示唆された。 また実験と並行し、第三の目標である数値計算モデルの構築を継続して実施し、二酸化炭素吸収時における気液界面近傍の対流不安定性の模擬に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
位相シフト干渉計による気液界面近傍における非定常熱物質輸送を実験的に評価し、対流不安定性の可視化および圧力依存性の評価を達成したため。第一の目標である位相シフトマイケルソン干渉計による実験については、装置の構築は完了しており、2023年度に実施した位相シフト干渉計による評価結果を補完する目的で2024年度に実験を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
位相シフトマイケルソン干渉計を用いた二酸化炭素-アミン気液界面での対流不安定性の評価を行う。また、本研究の第三の目標である、二酸化炭素吸収過程における対流不安定性の推定モデル構築を継続して進める。さらに、本研究をより発展させるために当初予定していたアミンに加え、二酸化炭素吸収溶液としてイオン流体を加えた実験を進める予定である。
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