2022 Fiscal Year Research-status Report
Understanding dynamic heat transfer characteristics of dropwise condensation using high-speed thermal visualization techniques
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22K14194
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
喜多 由拓 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 客員助教 (40840616)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 滴状凝縮 / 伝熱 / 可視化 / 感温塗料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高時空間・温度分解能を両立した熱計測システムを開発し、滴状凝縮における局所的な非定常伝熱特性を実験的に明らかにすることで、高熱伝達率を有する滴状凝縮の熱伝達メカニズムや膜状凝縮への遷移メカニズムを解明することを目的としている。 本年度は,研究の核となる熱計測システムを開発した。本システムは凝縮伝熱面の温度分布を取得することを目的とするが、凝縮面の裏側に冷却水を流す必要があるため、水を透過しない赤外線カメラを使うことはできない。そこで、本研究では感温塗料(Temperature Sensitive Paint; TSP)を採用した実験系を考案した。本年度はTSPの塗布条件を含めた基板構造の検討、実験装置の設計・製作ならびに温度・熱流束解析プログラムの開発を行った。実験装置の制約上、低熱流束域のみの実験に限られたが、滴状凝縮における液滴分布に対応する温度・熱流束分布の取得に成功した。現行の赤外線カメラ(~10 fps / ~10 μm)に相当する時空間分解能を達成した。 今後の課題としては、ノイズ低減、TSPの劣化による計測データへの影響の検討、高熱流束域における実験が挙げられる。ノイズに関しては、生の画像データ(光強度)を温度に変化した後に適当なノイズフィルターを適用することが考えられる。現状、低熱流束域の実験しかできていないが、高熱流束の実験ではノイズの影響はより小さくなると考えられる。TSPの劣化に関しては、劣化を最小限にするための実験条件の検討、ならびに励起光照射時間と劣化量の定量化を行う予定である。最後に高熱流束域の実験については、冷却水温度は現状限界まで低くしているため、蒸気温度を上げて実験を行うことを検討している。 研究実施者が知る限り、このレベルの解像度で凝縮における温度・熱流束分布を取得した実験例はなく、長年進歩が見られなかった凝縮伝熱分野において大きな学術的価値を有する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は研究の核となる熱計測システムを開発を目的としており、これはおおむね達成された。一般に凝縮伝熱計測には赤外線カメラを使うことはできないため、本研究では感温塗料(Temperature Sensitive Paint; TSP)を採用した実験系を考案した。本年度はTSPの塗布条件を含めた基板構造の検討、実験装置の設計・製作ならびに温度・熱流束解析プログラムの開発を行った。実験装置の制約上、低熱流束域のみの実験に限られたが、滴状凝縮における液滴分布に対応する温度・熱流束分布の取得に成功した。現行の赤外線カメラ(~10 fps / ~10 μm)に相当する時空間分解能を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題としては、ノイズ低減、TSPの劣化による計測データへの影響の検討、高熱流束域における実験が挙げられる。ノイズに関しては、生の画像データ(光強度)を温度に変化した後に適当なノイズフィルターを適用することが考えられる。現状、低熱流束域の実験しかできていないが、高熱流束の実験ではノイズの影響はより小さくなると考えられる。TSPの劣化に関しては、劣化を最小限にするための実験条件の検討、ならびに励起光照射時間と劣化量の定量化を行う予定である。最後に高熱流束域の実験については、冷却水温度は現状限界まで低くしているため、蒸気温度を上げて実験を行うことを検討している。
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