2022 Fiscal Year Research-status Report
敵対的生成ネットワーク(GAN)による癌撲滅のための生体内温度計測の新展開
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22K14199
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
井関 祐也 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00780222)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ハイパーサーミア / 生体伝熱 / 温度計測 / ディープラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
ハイパーサーミアは癌が熱に弱く42±0.5℃で一定時間加温されると死滅する臨床事実に基づいている。効果的なハイパーサーミアの実施のためには、生体内の温度分布を計測しながらの治療が求められるが、画期的手法が構築されていない。このような背景から、本研究課題ではディープラーニングの一種である敵対的生成ネットワーク(GAN:Generative Adversarial Networks)を応用し、超音波画像から生体内温度分布を非侵襲に計測するシステムを創出することを目指す。具体的には、臨床応用されている様々な加温装置を用いた温熱治療実験を通し、本システムの有用性を示す。つまり、(1)各加温装置の温度分布特性をPennesの生体伝熱方程式に基づき数値モデル化する。(2)敵対的生成ネットワークによって各加温装置の温度分布を計測し評価を行う。(3)生体熱輸送を模擬したファントムによる温度計測実験を実施し臨床応用への道筋を示す。 初年度にあたる令和4年度には、実験装置の試作および生体伝熱現象モデルの構築を行った。具体的には、生体模擬寒天ファントムを用い、血液灌流が無い状態における生体伝熱モデルと実験値との比較を行った。この結果、両者が良好に一致することがわかり、実験装置および生体伝熱モデルの妥当性を確認した。さらに、実験を通して取集した超音波画像を敵対的生成ネットワークに取り込み、学習することで、温度分布計測が可能であることを確認した。また、血液灌流がある状態における実験を実施すべく、血液灌流ファントムの試作および性能評価実験を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度実施計画を順調に遂行できたため。また、令和5年度実施予定である、GANの実装と評価、血液灌流ファントムの試作および性能評価実験を開始することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き加温実験を実施し、GANによる温度計測精度評価実験を行っていく。また、血液灌流ファントムの開発を進める。ファントムが完成後には、血液灌流がある状態の生体伝熱モデルと加温実験の比較を行い、生体伝熱モデルの評価および実験装置の評価を行っていく。
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Causes of Carryover |
当初予定よりも消耗品にかかる経費が少なかったため。残金については次年度の実験装置試作費に計上する予定である。
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Research Products
(3 results)