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2023 Fiscal Year Research-status Report

生物の集団意思決定を模倣する自律分散自己組織ロボットの集合/変形メカニズムの実現

Research Project

Project/Area Number 22K14214
Research InstitutionHachinohe National College of Technology

Principal Investigator

赤川 徹朗  八戸工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (80910728)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords自己組織ロボット / 深層強化学習 / マルチエージェント / 群知能 / 群ロボット
Outline of Annual Research Achievements

自己組織ロボットの開発、および自己組織ロボットの集合動作制御の開発に取り組んだ。本研究課題に取り組むにあたって,集合/変形を実現する自己組織ロボットの開発が必要不可欠である.また、本研究でロボットに搭載予定である「空間的にシームレスな局所的通信システム」の原理を応用した赤外線デバイスの特徴から、シームレスな全方向から連結可能である特徴を持った自己組織ロボットの試作機を開発した。本ロボットは従来の自己組織ロボットに用いられてきた連結機構とは大きく異なる機構を有し、異なるロボット同士の接触面の摩擦力を利用した連結機構を持つ。この面で連結する構造により、連結口となる特定の一か所に、特定の方向から連結しなければならない制限を取り払う連結機構を実現するに至った。この連結機構を3輪オムニホールロボットに搭載することで、ロボット同士の柔軟な集合/変形を実現している。
また、本自己組織ロボットの特徴を活用した集合動作をマルチエージェント深層強化学習を用いて実現した。単に複数台のロボット間の距離を近づけるだけでは、ロボット間の衝突を繰り返すことになり、柔軟な集合/変形の動作を実現できないことは分かっている。したがって、機械学習を用いてロボット同士の衝突を避けながら集合/変形をする動作を学習させた。結果として、3台のロボットによる集合/変形が可能であることがシミュレーション上で確認できた。
さらに、自己組織ロボットに搭載予定の赤外線デバイスの通信媒体をレーザー光に変更した新たなロボット位置計測装置を設計した。本研究課題の自己組織ロボットによる集合/変形の行動は自律分散制御に基づいた動作から実現する予定である。この制御を実現にはロボットが互いの位置を計測するための装置が必要となるが、従来の設計で用いてきた赤外線をレーザー光に変更することで、計測精度の向上や通信距離の拡大から装置の利便性が向上した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画としては当該年度は自己組織ロボットの開発を目標に計画されていた。それに対し、我々は目標である自己組織ロボットの試作機を開発するに至った。特に当該年度に製作した自己組織ロボットは数秒単位で連結/分離が可能な独自の連結構造を有し、従来の自己組織ロボットでは実現が難しかった高速な集合/変形の動作の実現が期待できる。これは本研究課題が目指すロボットの柔軟な自己組織化に繋がる重要な技術である。また、シミュレーション上でロボットの集合/変形の動作も実現できているため、ロボットに搭載予定の赤外線システムの改良さえできれば実機を用いて研究課題の目的を達成できる。ロボットの駆動系には3輪オムニホイールを採用することでロボットの向きに関係なく全ての方向に進行できるため、実機の車体構造の影響を受けずに学習結果から得られた移動軌跡をそのまま実機ロボットに採用することができる。
また、当該年度は赤外線デバイスの改良も計画されていた。したがって、当装置の通信媒体を赤外線からレーザー光に変更することで計測精度の向上や通信範囲の拡大を実現した構造を新たに設計した。まだ実機の製作までは至っていないが、ほとんどの構成パーツは3Dプリンタから製造可能であるため、必要な電子部品さえ揃えば直ちに製作が可能である。
以上の成果から、研究はおおむね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

自己組織ロボットの試作機を製作したが、連結構造が必要以上に大型である点や連結状態を維持するための強度が不足しているなどの課題点が残る。今後はその課題を解決するべく開発した自己組織ロボットにさらなる改良を加える。また、搭載予定の赤外線デバイスの通信媒体をレーザー光に変更したロボット位置の計測装置もまだ設計段階で製造まで至っていないため、今後は当レーザー計測装置の開発も進める。さらにこれらのレーザー計測装置と独自開発した自己組織ロボットを組み合わせた実機を用いて、マルチエージェント深層強化学習に基づいたロボットの集合/変形動作を実現する。すでにシミュレーション上では3台のロボットによる集合動作の実現を確認しているが、今後はさらに台数を増やした状態で集合/変形を実現する学習モデルの構築も進める予定である。

Causes of Carryover

当該年度は自己組織ロボットの開発やロボットの動作を学習するための計算機の購入に費用を使用したが、開発ロボットの構造の大半を3Dプリンタ製とすることで、当初の予定よりも試作機の製作費が多少軽減されたために次年度使用額が生じた

  • Research Products

    (2 results)

All 2024 2023

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] マルチエージェント深層強化学習を用いた自己組織ロボットの集合2024

    • Author(s)
      元沢 拓夢,赤川 徹朗
    • Organizer
      日本機械学会 第54回 東北学生会 卒業研究発表講演会
  • [Presentation] 全周方向から連結可能な自己組織ロボットの開発2023

    • Author(s)
      赤川徹朗,相馬崇史,元沢拓夢
    • Organizer
      第41回日本ロボット学会学術講演会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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