2023 Fiscal Year Research-status Report
Interactive Paper Wear実現のためのマルチマテリアルプリンタ
Project/Area Number |
22K14226
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
重宗 宏毅 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (40822466)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ソフトロボティクス / ソフトアクチュエータ / エレクトロウェッティング / ペーパーメカトロニクス / マルチマテリアルプリンタ / 折紙デバイス / 印刷法 |
Outline of Annual Research Achievements |
印刷直後に人の手を借りず自律的に完成するメカトロニクスデバイス”Interactive Paper Wear”の現場での作製を可能とする、ペーパーメカトロニクスの新たな作製プロセス・マルチマテリアルプリンタについての研究を行う。本研究の目的は、多種の液体特性を持つ溶液を精度よく印刷可能なコンパクトなマルチマテリアルプリンタの開発である。現在のシステムではデバイスを医療現場や農場などの現場にて作製するために、プリンタ(約3kg)を現地まで運ぶ必要がある。そこで、持ち運びが簡便なマルチマテリアルプリンタを開発することで、ペーパーメカトロニクスの持つ簡便かつ迅速なデバイス作製性をさらに強化し産業応用性を高める。具体的にはElectrowetting現象を利用し電気エネルギーによって毛細管力を促進し液体を印刷する。例えば、医療機関や農場にプリンタを持参し、現地で生体情報を取得可能なデバイスをオンデマンドにノータッチで作製するシステムの構築に繋がる。今年度は、液体の引き出しを可能にするマトリックス電極型エレクトロウェッティングシステムの開発に成功した。具体的には、PCB基板上にジグザグフラット型電極を10*10個準備し、それぞれの電極を開発回路から制御することによって、平面上の自在な液滴動作に成功した。銀ナノインク・酸化グラフェン・PEDOT:PSSの導電性液体についても駆動に成功した。液体の表面張力・粘度・接触角によって、応答性に違いが生じたため、詳細を調査することで、マルチマテリアルプリンタに適した導電性液体を選定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はおおむね順調に進展している。今年度は昨年の方策通り、導電性液体の駆動に成功した。銀ナノ粒子インク・酸化グラフェン・PEDOT:PSSといった導電性液体の駆動に成功し、マルチマテリアルプリンタに適した液体の選定に繋がった。また、システムと制御回路を改良することで、マトリックス電極を利用したエレクトロウェッティングシステムの構築に成功した。10*10と多数の電極に対して制御回路から信号を行うことで、液体を平面上で自在に駆動できることを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は絶縁性液体と導電性液体の駆動に成功したため、紙面上に同時に印刷することで折紙デバイスを開発する。絶縁性液体によって構造が形成され、導電性液体によって電気機能を持つ折紙デバイスのエレクトロウェッティングを用いた作製によって、マルチマテリアルプリンタの開発が達成される。細管パターン・制御回路の性能を高めることで、自在なパターンを描くことを目標とする。また、駆動速度が遅いと構造・電極形成に時間がかかり、塗布量が過大となることが懸念される。適切な塗布量を見出しながら、最適な駆動速度を細管設計・制御回路設計の両面から試みる。
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