2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a method for single molecule observation of three-dimensional cultured cells for high-precision molecular targeted drug discovery
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22K14229
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyota College |
Principal Investigator |
神永 真帆 豊田工業高等専門学校, 機械工学科, 助教 (20879986)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 細胞マニピュレーション / 立体培養細胞 / マイクロ流路デバイス / 水圧アクチュエータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,立体培養細胞の広範囲1分子観察を実現するマイクロ流路デバイスを開発することである.従来の1分子観察手法では,観察範囲がスライドガラス近傍のみに限定される.そこで,水圧駆動ソフトアクチュエータを使用し,マイクロ流路内にセンサを設置することなく観察位置とスライドガラスへの押し付け力を制御する.デバイス開発のため,水圧アクチュエータの設計,水圧アクチュエータの作製・評価,立体培養細胞の回転可能範囲・回転角度制御・力センシング能力の評価を行う.また,立体培養細胞の広範囲一分子観察性能の評価を行うことで,開発したデバイスの有効性を確認する. 立体培養細胞表面の広範囲一分子観察を実現するために,①水圧アクチュエータの設計,② 水圧アクチュエータの作製・評価,③立体培養細胞の回転可能範囲・回転角度制御・力センシング能力の評価,④立体培養細胞の広範囲一分子観察性能の評価を行う必要がある.当初,1年目には①から②に取り組む予定であったが,出産に伴う半年間の休業期間があったため,①のみに取り組んだ. ①水圧アクチュエータの設計 立体培養細胞の位置制御を行うための水圧アクチュエータを設計した.8個の水圧駆動アクチュエータを放射状に配置し,対向するアクチュエータを動作させることで,すり鉢状のポケットに配置した立体培養細胞を回転させることを目標とした.細胞へのダメージを防ぐため,細胞を底面に接触させる力を制御する.水圧駆動アクチュエータの内圧と体積の関係から外力を推定することで,マイクロ流路内にセンサを設置せずに力制御が可能となり,観察や細胞培養前の滅菌が容易となる.水圧アクチュエータの駆動に必要な圧力および細胞にダメージを与えない押し付け力を調査し,水圧アクチュエータの概要を決定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度,半年間産育休を取得したため研究の進捗に遅れが生じた.立体培養細胞表面の広範囲一分子観察を実現するために,①水圧アクチュエータの設計,② 水圧アクチュエータの作製・評価,③立体培養細胞の回転可能範囲・回転角度制御・力センシング能力の評価,④立体培養細胞の広範囲一分子観察性能の評価を行う必要がある.当初,1年目には①から②に取り組む予定であったが,出産に伴う半年間の休業期間があったため,①のみに取り組んだ.約半年分の遅れであるため,今後の研究進捗状況によっては研究期間の延長も視野に入れている.
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Strategy for Future Research Activity |
立体培養細胞表面の広範囲一分子観察を実現するために,①水圧アクチュエータの設計,② 水圧アクチュエータの作製・評価,③立体培養細胞の回転可能範囲・回転角度制御・力センシング能力の評価,④立体培養細胞の広範囲一分子観察性能の評価を行う必要がある.1年目に①を実施したため,2年目には②および③に取り組む. ②水圧アクチュエータの作製・評価 ①で設計した水圧アクチュエータを作製し,伸縮量の制御性能および力測定性能を評価する.水で満たしたシリンジのピストンをリニアアクチュエータで駆動し,ピストンにかかる圧力と移動量から水圧アクチュエータの圧力と体積を計算する.無負荷時と,先端に負荷を与えた場合の圧力-体積曲線を比較して負荷を推定し,力の測定可能範囲と分解能を評価する.また,アクチュエータ伸縮量と水の流入量の関係を調査し,動作範囲と分解能を評価する. ③立体培養細胞の回転可能範囲・回転角度制御・力センシング能力の評価 ②で作製したアクチュエータを組み込んだマイクロ流路を作製し,動作範囲および指定したポイントとの誤差,力センシング性能を評価する.すり鉢状のポケットに予め共焦点顕微鏡で形状を確認した立体培養細胞を設置し,デジタルマイクロスコープで取得した画像から角度を測定する.さらに,②と同様の方法で力の測定範囲と分解能を評価する.
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Causes of Carryover |
産育休にともない、物品の購入時期に遅れが生じたため次年度使用額が生じた。次年度において、予定していた物品を購入する。
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