• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

高周波インダクタのための渦電流と寄生容量を考慮した非線形低次元モデルの開発

Research Project

Project/Area Number 22K14237
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

比留間 真悟  京都大学, 工学研究科, 助教 (90909847)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2024-03-31
Keywords渦電流解析 / 寄生容量 / ダーウィン近似 / 低次元モデリング / 縮約モデル / 有限要素法 / 拡張有限要素法 / 均質化法
Outline of Annual Research Achievements

高周波インダクタの電磁界解析では渦電流解析が必要であるが,微細な空間分割が求められるため計算コストが大きい。また寄生容量を考慮する定式化(以下,ダーウィン近似)では有限要素法により離散化した方程式が非対称になるため,求解コストが増大する。こういった問題に対して低次元モデリング手法(以下,モデル縮約法)が有効である。
(1)拡張有限要素法を用いた低次元渦電流モデリング:2022年度は渦電流解析における計算コストを大幅に低減させる新しい手法として,拡張有限要素法を開発した。本手法では高周波領域の渦電流解析において従来必要であった微細な空間分割を行わず,表皮・近接効果を表現できる手法である。渦電流分布を表現するために開発されたエンリッチ関数を用いることで粗いメッシュを用いながら従来手法と同等の精度を達成することが可能である。この手法は渦電流解析において提案されたが,ダーウィン近似を用いた方程式にも適用可能である。今後は時間領域解析の手法を開発に着手する。
(2)畳み込み積分を用いた時間領域解析手法:低次元化した縮約モデルの時間領域解析のために畳み込み積分を用いたRC法による非線形渦電流時間領域解析の手法を開発した。本手法では複素関数を有する方程式に対して計算コストを増大させずに時間領域解析を行うことが可能になる。今後は寄生容量を含む場合についても実施する予定である。
以上の結果は電磁界に関する国際会議CEFC2022において発表された。また今年度開催予定の電気学会静止器回転機合同研究会や,国際会議Compumag2023においても進捗を発表する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

非線形磁気特性,渦電流,寄生容量を考慮した解析には膨大な計算コストが必要であるため,設計においてはそのどれか1つまたは2つの要素のみを考慮することが多い。すべてを同時に考慮するためには計算コスト削減のための技術開発が不可欠である。
(1)拡張有限要素法を用いた低次元渦電流モデリング:本研究では最も計算コストが大きいとされる高周波渦電流解析について,微細な空間分割が不要となる新しい低次元モデリング手法として拡張有限要素法を用いた渦電流解析を開発した。本技術を用いるとダーウィン近似を用いた方程式に対する有限要素法の計算コストを大幅に削減することが可能になるため,有用な技術といえる。
(2)畳み込み積分を用いた時間領域解析手法:ダーウィン近似のモデル縮約法と均質化法や拡張有限要素法などの低次元モデリング手法を併用すると通常の差分法が使用できなくなるため時間領域解析が困難になる問題がある。しかし,開発した技術を用いるとこれらの系について時間領域解析が可能になる。
以上を総合すると2023年度に実施予定の(2)非線形化手法の開発,(3)時間領域解析の検証の諸準備が完了している。それゆえ,当該トピックの進捗状況は,おおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

現在の電磁界解析の大きな問題として高周波化に伴う渦電流解析の計算コストの増大がある。さらに高い周波数においては寄生容量を考慮する必要もあり,さらに計算コストが増大する。この問題を解決するために本研究では均質化法,拡張有限要素法,モデル縮約法といった様々な手法を用いて多角的にアプローチしている。今後はこれらの手法を組み合わせ,それぞれのメリットを生かした手法の開発に取り組んでいく必要がある。
2022年度に開発した手法を電気機器解析へ展開するにあたり,次の研究項目を想定している。(1)拡張有限要素法を用いた非線形磁気特性を考慮した時間領域解析手法の開発,(2)ダーウィン近似への拡張有限要素法の適用による計算コスト削減の実証,(3)畳み込み積分を用いたダーウィン近似の非線形磁気特性を考慮した時間領域解析手法の実証。これらにおいて研究を行い,実用的な渦電流と寄生容量を考慮した非線形低次元モデルの開発を進めていく予定である。

Causes of Carryover

今年度は数値計算ソフトウェアComsolの導入を検討しており,基本ライセンスを大学運営費により導入した。一方で,追加分のモジュールについてはライセンス費用が大きく翌年度分として請求した助成金と合わせて導入する必要があると判断し,いったん保留した。次年度分ではAC/DCモジュールの導入を検討している。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023 2022

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Time-Domain Homogenized Finite Eddy Current Analysis Using Recursive Convolution Method2023

    • Author(s)
      Y. Sato, S. Hiruma, H. Igarashi and H. Matsumoto
    • Journal Title

      IEEE Transactions on Magnetics

      Volume: 59 Pages: 1,4

    • DOI

      10.1109/TMAG.2023.3245056

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Extended Finite Element Method for Calculation of Eddy Currents at High Frequencies2023

    • Author(s)
      S. Hiruma
    • Journal Title

      IEEE Transactions on Magnetics

      Volume: 59 Pages: 1,4

    • DOI

      10.1109/TMAG.2023.3246629

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Fast Time-Domain Analysis of Darwin Model of Maxwell’s Equations Using Arnoldi-Based Model Order Reduction2022

    • Author(s)
      S. Hiruma, H. Igarashi
    • Journal Title

      IEEE Transactions on Magnetics

      Volume: 58 Pages: 1,4

    • DOI

      10.1109/TMAG.2022.3163569

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 拡張有限要素法を用いた渦電流解析に関する検討2022

    • Author(s)
      比留間真悟
    • Organizer
      静止器/回転機合同研究会・電磁界数値計算技術とその応用

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi