2022 Fiscal Year Research-status Report
Electromagnetic field analyses of CORC-type HTS cables considering current distribution among layers
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22K14238
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
曽我部 友輔 京都大学, 工学研究科, 助教 (40847216)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 高温超伝導 / CORC導体 / 電磁界解析 / 交流損失 / 線材磁化 |
Outline of Annual Research Achievements |
高磁界を発生させる加速器用高磁界電磁石や交流通電・外部磁界が印加される環境で使用される回転機の電機子巻線などへの応用が期待される高温超伝導集合導体の一つである「CORC型高温超伝導導体」と呼ばれる導体を対象とした層間分流を考慮した電磁界解析手法の創出を目的とし、分流現象を考慮に入れた電磁界解析モデルの構築、並びにCORC型高温超伝導導体の設計指針の確立に着手した。CORC型高温超伝導導体の構造上必ず発生する分流現象を考慮した電磁界解析はいまだ実現されておらず、分流現象を考慮したCORC型高温超伝導導体の電磁界解析手法の構築は独自であり、これによって加速器用電磁石や電気機器応用実現に向けての課題である遮蔽電流磁界・交流損失を抑制する手法の確立につながる研究である。 分流現象を考慮に入れた電磁界解析モデルの構築では、CORC型高温超伝導導体の形状や層間の接触抵抗、電源との接続部における接続抵抗、外部から印加される磁界や温度によって変化する超伝導層の等価的抵抗などの要因から決まる層間の電流分布を計算可能な等価回路モデルを構築した。 また、今後、種々のCORC型高温超伝導導体を対象として評価を行うにあたり、CORC型高温超伝導導体の設計に関して、層数、銅芯の径や高温超伝導線の本数といった導体形状、高温超伝導線の幅や銅層厚さ等を変更し、導体臨界電流や導体径を制約条件とした種々の導体設計を行うための指針を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CORC型高温超伝導導体における層間分流は、その構造上必然的に発生し、交流損失特性や線材磁化などの重要の物理的特性に対して影響を及ぼすことが予想されるにもかかわらず、これまでにそれを定量的に評価可能な解析モデルは存在していなかった。この分流現象を等価回路モデルによって簡易的に記述し、導体形状から層間分流を予想可能な回路モデルを構築したことは極めて大きな成果と言え、今後のCORC型高温超伝導導体の実用に向けた交流損失や磁化の評価に重要な影響を与えることが予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
構築に成功した等価回路モデルを用いた層間分流の予測手法を用い、CORC型高温超伝導導体を対象とした大規模数値電磁界解析モデルにおいて、計算された層間分流を入力とする改良を進める。 また、CORC型高温超伝導導体を適用することが考えられる種々の応用において、どのような形状のCORC型高温超伝導導体が必要とされるかについての調査を進め、導体設計を行っていく。
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Causes of Carryover |
使用可能な他予算との共同購入として、大規模数値電磁界解析に必要となる計算サーバの購入に使用することを想定していたが、購入を検討していた計算サーバが要求仕様に合わないこと、並びに他予算の都合により、本年度の購入を見送ったため次年度使用額が生じた。 次年度にあらためて計算サーバの購入に使用する計画である。
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