2023 Fiscal Year Research-status Report
ニューラルネットワークを適用した瓦磁気記録のための信号処理方式に関する研究
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22K14259
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西川 まどか 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (90800764)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 瓦磁気記録 / LDPC符号化・繰返し復号化方式 / ニューラルネットワーク / 遺伝的アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
ニューラルネットワークを適用した瓦磁気記録のための信号処理方式に関する研究について, 繰返し復号の効率化に関する検討を進めている. 信号処理方式としては, LDPC(low-density parity-check)符号化・繰返し復号化方式を採用している. 繰返し復号は, チャネルに対する復号を行うAPP(a posteriori probability)復号器とLDPC符号に対する復号を行うSP(sum-product)復号器との間で行われる. これまでの検討では, APP復号器とSP復号器の間に, ニューラルネットワークを備えた対数尤度比(LLR: log-likelihood ratio)調整器を挿入して効果的な繰返し復号を実現したが, LLR調整器を挿入する分, 回路が複雑になることが問題であった. そこで, LLR調整器を挿入せず, SP復号にニューラルネットワークを適用して効率化な繰返し復号の実現を図った. 令和5年度の主な研究成果として, SP復号におけるニューラルネットワークに, 復号対象のビットおよびその隣接ビットに対するLLRを与えることにより, 記録パターンに依存する雑音の影響を考慮したLLRの評価・更新を行った結果, 従来と比べてより少ない繰返し回数で誤りなく復号でき, 効果的な繰返し復号を実現することを明らかとした. また, 遺伝的アルゴリズムによりLLRの更新パラメータを探索することで, 更に効果的な繰返し復号が実現し, かつ, 復号性能改善が得られることも明らかとした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
瓦磁気記録のための信号処理方式として検討している, LDPC(low-density parity-check)符号化・繰返し復号化方式の繰返し復号の効率化において, APP(a posteriori probability)復号器とSP復号器の間に対数尤度比(LLR: log-likelihood ratio)調整器を挿入することなく, SP(sum-product)復号にニューラルネットワークを適用して効率化を実現したことは大きな進歩といえる.
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Strategy for Future Research Activity |
瓦磁気記録のためのニューラルネットワークを適用したLDPC(low-density parity-check)符号化・繰返し復号化方式において, 引き続き繰返し復号の効率化の検討を進めていく. 令和5年12月に, 繰返し復号におけるSP(sum-product)復号内の対数尤度比(LLR: log-likelihood ratio)の更新に遺伝的アルゴリズムを適用することの有用性を示したことから, 今後は, 繰返し復号の効率化のための, 遺伝的アルゴリズムの評価関数の見直しについて更に検討する予定である.
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