2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a correction method for high-frequency vibration measurement errors caused by contact stiffness
Project/Area Number |
22K14273
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
下田 智文 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (60880763)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 加速度センサ / 振動計測 / 接触剛性 / レーザー干渉計 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、ランダム加振実験およびセンサ・アダプタ材質を変えての追加測定実験を行った。当初の計画ではランダム加振した際のセンサ出力波形のピーク周波数からセンサと測定対象間の接触剛性を推定することを目指していたが、実験の結果、センサ自身の力学特性の反作用の影響のため、ランダム波印加時の出力信号スペクトルのピーク周波数とセンサ応答の共振ピークが一致しない様子が見られた。そのため計測対象物の剛性や重量によって、ピーク周波数からの接触剛性推定の可否が左右される可能性が分かった。そこで方策を変更し、測定対象物のヤング率から接触剛性推定を行う手法を検討した。まずこれまで使用したアダプタ材質(超硬タングステン・ステンレス・チタン)に加え、ヤング率の異なる純タングステン・アルミのアダプタを用意して感度の周波数特性を測定した。これに昨年度までに開発・検証した力学モデルに基づいたフィッティングを行うことでそれぞれの接触剛性パラメータを推定し、ヤング率との関係を調べた。結果、おおよそ滑らかな曲線的な関係にあることが分かり、ヤング率から接触剛性パラメータを推定し加速度センサの感度変化を予測できる展望が得られた。 研究期間全体を通して得られた知見により、高周波振動計測(>10kHz)における加速センサの周波数特性について、①100kHzまでの特性を実測するシステムを開発した、②測定対象物の材質による変化の力学的な理解を深めた、③実測結果から様々な材質での感度を予測し振動計測精度を向上する展望を得た、という成果が得られた。 これらの研究結果は振動加速度標準に関する国際会議にて発表し、論文発表の準備も進めている。
|