2022 Fiscal Year Research-status Report
Brainless Approach to Realize Cooperative Maneuvering Control of Sheepdog Systems
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22K14277
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
角田 祐輔 大阪大学, 大学院工学研究科, 特任助教(常勤) (80943547)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 群ロボットシステム / マルチエージェントシステム / スワームシステム / シープドッグシステム / ナビゲーション / 牧羊犬のヒツジ追い / Shepherding / 機動制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度である2022年度は,無脳化アプローチに基づく「群れないヒツジ群」のロボット群による誘導を実現するために,まず二輪車両モデルに基づくヒツジ群の誘導について取り組んだ.ヒツジと牧羊犬ともに,以前の質点モデルではなく二輪車両モデルに従い移動すると設定し,ヒツジにはBOIDモデルに基づく相互作用モデルを,牧羊犬には過去提案した最遠個体追跡制御を適用した.数値シミュレーションの結果,二輪車両モデルでも誘導が可能であること,二輪車両に基づく誘導でも質点モデルの場合と同様にゴールを中心とした無限円軌道に収束することをシミュレーションにて確認した.今後の研究では,二輪車両モデルにおけるヒツジ1体,牧羊犬1体の誘導における平衡解の安定性解析およびゲイン設計法を行うこと,ダイナミクスを有するシープドッグシステムの解析を進める予定である. 次に,より効率の良い牧羊犬の誘導コントローラを開発するために,最遠個体追跡制御のゲイン設計法とコントローラの改良に取り組んだ.まず,最遠個体追跡制御においてターゲットへの引力ゲインとゴールからの斥力ゲインの比の値が誘導効率に大きく影響することを統計的解析により明らかにした.そして,その比を誘導フェーズ(回り込み時と追い込み時)により動的に変化させる改良版最遠個体追跡制御を提案した.提案法に対して,BOIDモデルに従うヒツジ群の誘導をした結果,従来のゲイン値が固定の場合の誘導よりも誘導効率が良くなること,そしてゲイン値を変えて表現した様々な特性をもつヒツジ群も誘導可能であることを数値シミュレーションにより検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
無脳アプローチに基づく「群れないヒツジ群」の協調的機動制御を構築するために,まず従来の質点モデルに従う誘導から,二輪車両モデルに従うシープドッグシステムが可能かどうかを検証した.二輪車両モデルに従い移動するヒツジと牧羊犬に対して,ヒツジにはBOIDモデルに基づく相互作用モデルを,牧羊犬には過去提案した最遠個体追跡制御を適用した.数値シミュレーションの結果,二輪車両モデルでも誘導が可能であること,二輪車両に基づく誘導でも質点モデルの場合と同様にゴールを中心とした無限円軌道に収束することをシミュレーションにて確認した.次に,異なる特性を有するヒツジ群を効率よく誘導するために,最遠個体追跡制御のゲイン設計法とコントローラの改良に取り組んだ.最遠個体追跡制御において,ターゲットへの引力ゲインとゴールからの斥力ゲインの比を誘導フェーズ(回り込み時と追い込み時)により動的に変化させる改良版最遠個体追跡制御を提案した.提案法に対して,BOIDモデルに従うヒツジ群の誘導をした結果,従来のゲイン値が固定の場合の誘導よりも誘導効率が良くなること,そしてゲイン値を変えて表現した様々な特性をもつヒツジ群も誘導可能であることを数値シミュレーションにより検証した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では,二輪車両モデルにおけるヒツジ1体,牧羊犬1体の誘導における平衡解の安定性解析およびゲイン設計法を行う.そしてその結果から,二輪車両で移動する,接触に基づく反射モデルに従うヒツジ群の複数牧羊犬による協調的誘導制御の構築および実機検証を進める予定である.牧羊犬-ヒツジ間,ヒツジ-ヒツジ間の接触に基づくシープドッグシステムはすでにシミュレーション上では構築済み(国際会議で発表)であり,タッチセンサに基づき二輪車両で移動するロボットの開発については国内会議で発表済みであるため,その結果をもとに今後の研究を進める.
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Causes of Carryover |
研究初年度では,カメラ画像を取得しつつヒツジを追跡する牧羊犬ロボットの開発を行う予定であった.しかし,半導体が手に入りにくい世界的情勢の影響で,リアルタイム画像処理が可能なマイコン(NVIDIA Jetson Nano 開発者キット)を予定時期に購入することができなかった.そのため,当初計画していた予算執行が不可能であった. 翌年度では情勢も変化し,マイコンが予定通り手に入る状況になったため,翌年度分として請求した助成金と合わせて,牧羊犬ロボットの開発および無脳化ヒツジ群の開発を進める予定である.
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