2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K14281
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
藤本 悠介 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (60826204)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | データ駆動制御 / 反復学習制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,データから制御器を設計する方法として,特に二種類の方法を検討した.一つ目が本研究課題に直結する反復学習制御の理論を活用したものである.より具体的には,反復学習制御の特徴である収束性の保証を活用しつつ,制御対象の逆モデルを活用することで学習を高速化する方法を検討した.この成果は現在国際論文誌Control Systems Lettersに投稿中であるが,それとは別に2022年度内に計測自動制御学会九州支部学術研究講演会でも関連研究を発表した.なお,後者の発表は実機実験に関連した検証報告であり,柔軟リンクを有するモータの角度制御を行うものであった.本研究の2023年度の目標の一つが実機での有効性検証であったことを踏まえると,順調に研究が進展しているといえる.もう一つの方法として,一回の実験から適切な制御器を獲得する方法について検討した.より具体的には,制御入力の大きさに制約がある場合に高速に目標値へ収束させる制御について検討した.これは研究課題そのものではないが,関連技術が研究課題に応用できることが期待される.実際,適切な制御入力を最終的にはフィードフォワード入力の形で獲得するが,これは上述の研究課題で取り組む方法との親和性が高い.ただ,この二つ目の方法は収束性の保証が困難であり,その意味では研究課題に直結しない.研究課題に必要な要素技術の一つであると考えられる.この成果については計測自動制御学会論文集に投稿し,採択された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標であった理論の構築についてはある程度のめどが立ち,現在論文誌に投稿中である.また,実機を用いた実験でもその有効性を検証することができた.一方で,それらの成果の報告については少し滞っている.これらを総合し,上記の評価を付す.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の当初の目標は実機での検証を行うことであったが,2022年度で柔軟リンクを用いた実機実験を行うことができた.これを踏まえ,2023年度は理論の更なる発展,具体的には外乱を含むデータからの学習について検討すると同時に,より複雑な実験機器を用いた検証についても検討する.
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Causes of Carryover |
2022年度に使用する予定だった旅費について,いくつかの理由から大幅に減額された.まず,メキシコで開催される国際学会Conference on Decision and Controlへ参加する費用を計上していたが,諸事情からこの参加費を別予算で賄うこととなった.更に家庭の事情により宿泊を伴う出張を極力削減する必要が生じたため,国内で開催されるいくつかの学会への現地参加を見送った.これらの理由から繰り越しが生じている. 今年度は実機検証を一つの課題としていたこともあるため,実機実験に用いる機器の購入を検討する.
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