2022 Fiscal Year Research-status Report
Damage Monitoring of Steel in Concrete Structure Considering Aging Magnetic Field Attached to Steel
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22K14307
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺澤 広基 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (50750246)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 漏洩磁束法 / 非破壊検査 / 鋼材腐食 / 温度変化 / モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
コンクリート構造物中の鋼材(鉄筋)の腐食を鋼材に付与した磁気のモニタリングにより検出する手法の確立を目標とするにあたり,コンクリート構造物の共用環境を想定した温度変化がコンクリート中の鋼材に付与された磁化の変化に与える影響の検討を行った。具体的には、室内・屋内・屋外と温度変化の異なる3種類の環境下に、鉄筋を埋設したコンクリート供試体を設置し、永久磁石による着磁後、コンクリート表面における測定磁束密度の経時変化を計測した。埋設した鉄筋には熱電対を取り付けており、それぞれの環境における気温・鉄筋の温度および測定磁束密度を2022年10月から経時的に計測している。計測開始から100日程度の時点で、鉄筋近傍における最高温度と最低温度の差が室内では10℃程度、屋外では30℃程度となっているが、コンクリート表面における磁束密度の変化量はいずれの環境においても小さく、鉄筋に付与された磁化が概ね保持されていることが確認できた。 また、磁気のモニタリングにより鋼材腐食を検出するにあたり、鉄筋に付与された磁化の経時変化に腐食が与える影響を検討した。具体的には、異形鉄筋に対し塩水噴霧を繰り返し行い腐食を促進させる供試体と健全のままの異形鉄筋の供試体に着磁を行い、磁束密度の経時変化を確認した。その結果、いずれの供試体も経時変化により磁束密度の減少が見られたが、腐食鉄筋は健全鉄筋と比較して磁束密度の減少量が大きく、腐食を検出するにあたり有意な差が得られることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、温度変化に伴うコンクリート中鋼材に付与された磁化の経時変化の計測を実施できている。この計測は次年度以降も続けていく予定である。一方で、温度変化に対する鋼材の磁化の変化量が予想より小さいことを踏まえ、恒温槽を利用した通常の環境よりも高温の状態での減磁量を確認することを目的とした追加検討を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
作製した鉄筋コンクリート供試体の温度および磁気のモニタリングは継続して行っていく。更に、鋼材の種類についても鉄筋のみならず、プレストレストコンクリートにおけるPC鋼材も対象としたモニタリングや、コンクリート中で鉄筋腐食を促進させる供試体を用いた検討を進めていく。また、当初の計画通り、車両通行を想定した荷重作用がコンクリート中鋼材に付与された磁場に与える影響の検討を開始する。
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