2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K14310
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
金澤 健 北海学園大学, 工学部, 准教授 (80823773)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 極限解析 / 鉄筋コンクリート / 棒材 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は,高さが不連続なはり(dapped-end beams)の掛け違い部から生じる斜め引張破壊の終局耐力評価に取り組んだ。自由物体図からつり合い式を定式化し,制約付き最適化問題を解くことで極限解析における下界の解を求める方法を論文化した。具体的には,既往の文献から収集した9体の実験結果に対して,本方法はストラットータイーモデルによる予測よりもよい精度を有していることを確認した。 現在は,本方法の精度をさらに多くの実験データ(47体)に対して検証している段階である。この過程で,掛け違い部から生じる破壊のみではなく,はりの全高さにわたって斜めひび割れが発生する(デラコンコルド橋で実際に生じた)破壊に対しても適用できるような,本方法の拡張が可能なことに思い至った。後者の破壊形式について実験的に検討している文献は少ないものの,あと施工の補強効果にまで踏み込んで終局耐力評価ができるよう,力学モデルを改良している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に得た成果を深め,実務でも利用可能な終局耐力算定用の簡易式を解析的に導出する作業に取り組んでおり,論文化の目処も立っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
終局耐力の導出を最適化問題に置き換えて解く方法は確立しつつある。引き続き既往の文献から実験データを収集しつつ,実務に適した簡易な耐力予測式を提供して,現場で利用してもらう方向性を模索する。同時に,本解法を偏微分方程式の枠組みの中に位置付けて理解することで,より抽象化・一般化を目指す。
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Causes of Carryover |
ワークステーションの購入費用が見積額を下回ったため。差異は少額のため,次年度の英文校正費用等に充当する予定である。
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