2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K14310
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
金澤 健 北海学園大学, 工学部, 准教授 (80823773)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 斜め引張破壊 / ゲルバー桁 |
Outline of Annual Research Achievements |
老朽化したコンクリート橋で一般的に使用されているゲルバー桁の接合部では,桁高が不連続になる部分からのひび割れにより斜め引張破壊が生じうる。その耐力をストラットタイモデルで算定すると,過度に安全側の耐力が算定される場合がある。今年度は,鉛直方向のつり合い式を目的関数とし,水平方向とモーメントのつり合い式を制約条件とした最適化問題を定式化した。この枠組みでは,最小化された目的関数が求める斜め引張耐力を表すことになる。 既往の文献から30供試体の試験データ(終局耐力)を収集し,本解析結果と比較することでその精度を検証した。その結果,解析による予測値と試験結果との平均誤差は2%程度であり,この精度はストラットタイモデルを用いた場合よりも優れていた。また,力のつり合い式を構成する各抵抗機構と,接合部の諸元から定まる無次量との間に相関関係があることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
桁高が不連続な場合の終局耐力を最適化問題の枠組みで計算する方法を概ね確立することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
斜めひび割れが支配的な破壊形式について,内力による抵抗機構を定量化できる計算方法を整備できたため,耐力算定式をモデルコードに掲載できるような形で簡易にまとめることを目指す。桁高が不連続でない通常の梁が呈する斜め引張破壊のメカニズムを参考に,ゲルバー桁の耐力に支配的な影響を及ぼすパラメータを最適化計算により同定する。
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Causes of Carryover |
分担者として参画している研究課題を遂行するために在外研修を行ったことにより,本研究課題に割くエフォートが相対的に小さくなったことが理由である。最終年度に向けて,既に研究成果を論文として取りまとめる段階に入っており,データ収集のための文献購読代や英文校正代等に使用する予定である。
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