2023 Fiscal Year Research-status Report
運転免許の返納時期と都市・交通環境による高齢者の活動への影響
| Project/Area Number |
22K14347
|
|---|
| Research Institution | Tokyo University of Science |
|---|
Principal Investigator |
鈴木 雄 東京理科大学, 創域理工学部社会基盤工学科, 助教 (90838864)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
| Keywords | 免許返納 / 高齢者 / 健康 / 都市・交通環境 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，自動車運転免許を返納した高齢者の健康状態の変化について，都市・交通環境，運転免許返納時期の面から検討を行っている．そのため，免許返納した高齢者について4年間の健康状態や活動状況の追跡調査を行う．
1年目の研究では、免許返納した高齢者について，免許返納の時期や都市・交通環境と健康状態との構造を示すために，共分散構造分析を行った．その結果，都市・交通環境に不満がある人がフレイル状態である可能性が高いこと，都市交通環境への主観的不満と主観的不満が相互関係であること，客観的都市交通環境（スーパーマーケットや病院，バス停の利用しやすさ）の悪い人が免許返納の時期が遅いことなどを示している．また，免許返納の時期が早い人ほどフレイル状態にならないことや，免許返納の時期が早い人ほど活動能力指標が高いことなども示している．
2年目の研究では，1年目からの継続調査に同意したモニター253名からアンケート調査の結果を得た．ここから，1年目に示した免許返納の時期や都市・交通環境と健康状態との構造の因果関係について，各種健康や活動の変化から検討を行った。この結果，一部免許返納時期と健康状態の変化との間に関係がみられた．また，都市・交通環境の違いにより，健康状態の低下に差がみられる結果となった．ただし，必ずしもこの傾向に当てはまらない高齢者も多く存在し，今後の詳細な分析や3年目・4年目の継続調査の結果から，これらの関係について明確に把握する．
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自動車運転免許返納者の追跡モニター調査にて253名のアンケートの回答を得た．これは当初予定していた228名よりも多い．4年間の継続調査に同意を得た269名のうち8割以上から回答を得ている．
|
| Strategy for Future Research Activity |
引き続き，自動車運転免許返納者の健康状態や活動状況について，追跡調査を行う．継続調査も3年目になり，より詳細な健康状態の変化の分析が行えるものと考えられる．
|
| Causes of Carryover |
4年間の継続調査に同意したモニター8割強からアンケートの回答があり，次年度以降も多くの回答が得られることが予想される．当初の予定より多くの金額がかかることが予想され，次年度のアンケートの印刷や，送付・回収，謝礼用として繰り越した．
|
