2022 Fiscal Year Research-status Report
定着用膨張材を鋼構造に適用した新たな接合工法の開発
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22K14364
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
陳 逸鴻 長崎大学, 工学研究科, 助教 (00846123)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 高性能膨張剤 / 鋼構造継手 / 複合構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
高性能膨張剤を利用した鋼構造建造物の新しい継手への開発のために,2022年度は高性能膨張剤を鋼材の接合箇所への充填方法の確立と新しい接合箇所の力学特性の解明に着手した. まず,鋼構造建造物の継手に高性能膨張剤による接合を適用するために,高性能膨張剤を接合箇所に充填する方法を新たに考案する必要がある.現場施工のしやすさと,確実に膨張剤膨張剤を充填することの両立を考慮して,接合箇所の試作模型を複数制作した.それぞれの模型に高性能膨張剤を模した液体を実際に充填し,施工性と充填率を確認した.最もよい案を実大試験体に応用していく.改良の余地はあるが,接合箇所の基本形はできたと考えている. つぎに,高性能膨張剤による接合箇所が複合応力を受けるときの力学特性を検証するために,特殊な載荷実験を行う必要がある.接合箇所の設計と平行して,載荷装置の設計・制作をしていた.また,実験に際して,試験体各所の変形を計測するための計測方法と装置の準備も完了している. そして,接合箇所の模型を参考に,鋼構造接合部の実大試験体を制作している.鋼材不足により,試験体の納品が遅れ,2022年度内に載荷実験を行うことができなかったが,最初の試験体はすでに制作しており,2023年度の早期に載荷実験を行う予定である. 2023年度では,載荷実験を通じて,高性能膨張剤を用いた接合箇所の力学特性を確認しながら,充填方法など接合箇所の改良を検討する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
接合箇所の試作模型から最適なものを選ぶのに想定以上に時間がかかったことや,実大試験体に使用する鋼材が一時的に不足していたため,2022年度末に予定していた載荷実験が2023年度はじめに行うことになった. 当初の計画とくらべて,2022年度で予定した内容の80%は達成できたと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画よりやや遅れているものの,現時点では問題なく進められている. 2023年度は載荷実験を通じて,接合箇所の力学特性を確認し,改良を試みる.その後は予定通りに,実験のパラメータを増やして,提案する継手の実用性を高めていく.
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