2023 Fiscal Year Research-status Report
土の建築に用いる自然由来の表面保護材料に関する研究
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22K14365
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Research Institution | Ashikaga University |
Principal Investigator |
中村 航 足利大学, 工学部, 講師 (50824538)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 土 / 自然塗料 / 乾性油 / 耐摩耗性 / 撥水性 |
Outline of Annual Research Achievements |
建築への土の利用は、地球環境問題の是正の観点から有効である。本研究は、土の“弱い”という印象の原因になっている表面強度と耐水性に着目して、表面保護材料による保護を試みている。 2023年度は、これまで有効であると確認できた亜麻仁油、クルミ油に加え、さらに桐油、荏胡麻油について、耐摩耗性および撥水性の向上を確認した。この効果は塗り回数の増加に応じて向上することを確認した。塗り回数を増やした場合、10回程度塗ることでほぼ摩耗しないことが確認できたが、撥水性については、5回程度塗るだけでも十分効果を発揮することが確認した。 また、亜麻仁油を煮詰めて、水分を抜いてさらに濃度と粘性をあげた濃縮亜麻仁油を用いることで、通常の亜麻仁油および他の乾性油と比較しても、より少ない塗り回数で、耐摩耗性と撥水性を得られることを確認できた。 亜麻仁油を用いて実際に施工した住宅の床の経過観察の結果、竣工2年半では、一部の色が褪せ、混合した藁の摩耗が確認できた。しかし、依然として表面硬度の低下が少なく、撥水性も有していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
乾性油の乾燥に予定より時間がかかり、塗り回数を重ねるのに手間がかかり、乾性油による表面性能の向上が良好であることが確認できたが、計画の中にある検討材のうち、石鹸等の2種混合材料の性能はまだ未検討になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
乾性油については、土の粒度が及ぼす影響と暴露した際の性能低下を確認する。 石鹸による表面性状の向上効果を確認する。
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Causes of Carryover |
研究が一部遅れ、想定していたより、材料費がそれほど消費しなかったため。 今年度に、各種の材料の検討をできるだけ行う。
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