2022 Fiscal Year Research-status Report
並列H形鋼梁の横座屈挙動に及ぼす非構造部材の損傷抑制・誘発効果
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22K14369
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Research Institution | Sendai National College of Technology |
Principal Investigator |
吉野 裕貴 仙台高等専門学校, 総合工学科, 助教 (70756428)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 非構造部材 / 横座屈 / 柱梁接合部 / 横曲げ変形 / 反り変形 / ラーメン骨組 |
Outline of Annual Research Achievements |
【縮小模型振動台実験による鉄骨構造物内の並列H形鋼梁の動座屈崩壊メカニズムの解明】2022年度は1層2スパンラーメン骨組みにおける連続補剛並列H形断面梁の動座屈実験を行った。並列梁の補剛しない場合(無補剛),並列梁を等間隔で補剛する場合(多点補剛),並列梁を屋根折板により梁全体を補剛する場合(連続補剛)横座屈性状を明らかにした。振動台を用いた強制振動により,並列梁の内,一方の梁が先行して横座屈しても骨組み全体の耐力は低下せず,その後,もう一方の梁も横座屈することで,骨組全体の耐力が低下することを確認した。 【部分架構載荷実験による連続補剛H形鋼梁の横座屈に対する柱梁接合部及び連続補剛材の拘束効果】2022年度は梁2断面,柱3断面による骨組み内の柱の弱軸回りの捩り剛性の異なる試験体を製作し,部分架構載荷実験を行った。捩り剛性の違いは,柱のフランジおよびウェブの板厚,柱梁接合部のダイアフラムやスチフナの厚さにより選定した。以下に,主な成果を示す。1)柱の捩り剛性が大きくなるほど,梁の横曲げ変形が拘束されるため,塑性変形性能は向上する。なお,柱の捩り剛性の大きさにより梁の反り変形も比例して拘束度が高くなる。反り変形は板厚により柱断面がH形断面の方が箱形断面の場合より梁端の反り変形が抑えられるため,梁の最大耐力時までの回転角が大きくなる。2) 屋根折板を梁の横座屈に対する連続補剛材とした場合,回転補剛剛性は理論値の5.0%程度となる。3)屋根折板に生じる補剛力は,梁の降伏耐力に対して横座屈変形が先行する正載荷側が16%,負載荷側が12%程度となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
部分架構載荷実験により柱梁接合部および柱断面による梁の反り及び横曲げ拘束度について明らかにできた。 縮小模型振動台実験により,補剛形式の異なる鉄骨構造物内の並列H形鋼梁の横座屈性状を明らかにし,連続補剛材によるへいれつH形鋼梁の座屈耐力及び骨組の耐力の違いについて把握できた。
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Strategy for Future Research Activity |
【H形鋼梁による捩り曲げを受ける非構造部材の剛性及び非構造部材-梁の接合部拘束度の把】2023年度は,梁の横座屈拘束材として活用するための要求性能を満たす拘束方法として補強金具を用いた捩り実験を行う。その際,施工上の観点から,補強金具を最小限 に抑えるために補剛間隔についても明らかにする。【縮小模型振動台実験による鉄骨構造物内の並列H形鋼梁の動座屈崩壊メカニズムの解明】並列梁による1層2スパンラーメン骨組みの縮小模型実験を行い,骨組み内の梁の応力分布を確認した。今後,有限要素法解析により骨組み全体の動座屈現象を再現し,動座屈による梁の横座屈耐力の低下率や塑性変形性能を把握する。さらに,本研究で提案する非構造部材-梁接合部の 拘束度及び塑性化する非構造部材の補剛剛性を考慮した架構全体の解析モデルを構築する。
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Causes of Carryover |
次年度,購入予定の物品調達に使用するため
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Research Products
(5 results)