2023 Fiscal Year Research-status Report
Operational Conditions and Problems of Disaster Hazard Areas against Tsunami -Before and After the Great East Japan Earthquake-
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22K14380
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
荒木 笙子 東北大学, 工学研究科, 助教 (20897524)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 災害危険区域 / 土地利用規制 / 津波被災地 / 低平地利活用 / レクリエーション / 防災集団移転促進事業 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の中間年にあたる本年度は、引き続き津波被害をうけた災害危険区域に加えて、防災集団移転促進事業(以下、防集事業)の歴史を調査し、災害リスク区域から住民を集団的に移転させる制度の分析に集中的に取り組んだ。 津波被災を受けた災害危険区域については、レクリエーション施設として整備されたパークゴルフ場について、土地利用の工夫、管理と運営の実態を調査した。近隣住民が減少しており、利用者・管理者共に不在である場所では、隣接する土地利用との連携や管理の工夫によって土地利用が行われていることなどを明らかにして、津波被災低平地の管理の可能性を示唆した。 また東日本大震災後に災害危険区域を移転元地として導入された防集事業について、東日本大震災後に課題が多く発生していることから、当初理念について調査するために、防集法の立法前後における国会議事録をもとにした立法プロセスの分析と集団移転事例の実態調査を行なった。この結果、防集事業は山から平地へ住民を移転させる事業であり、過疎法を根拠とした事業であったこと、原型復旧ではなく早期に奮発して集落移転させることが合理的だと判断されたこと、生活再建支援が充実しており産業構造が変化したことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの調査で築いてきた関係性を用いて、現地調査などを概ね計画的に実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね研究が順調に進行しているため、今後についても予定通り進行する予定である。 現在、津波よりも頻度が高い水害の常習地帯について、事前に防集事業を導入している事例について調査を実施中である。今後データを分析して、災害危険区域の指定方法や集団移転手法の検討に繋げていきたい。
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Causes of Carryover |
当該年度には類似の科研費(研究分担者)が利用できる環境にあったこと,予定していた国際学会の開催地が国内であったため旅費出費が予定よりも減少したことなどから,次年度使用額が発生した。次年度は当該研究費の最終年度にあたるため,論文の投稿や追加調査のために使用したい。
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