2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K14386
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸本 まき 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (20880074)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | 滞留者数分布 / 赤外線人感センサ / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,建物内に多数設置した赤外線人感センサの挙動から,建物内滞留者数分布をリアルタイムかつ高精度に推定することを目的とする。これまで,安価かつ取得可能な情報が限定的な赤外線人感センサのみを用いて,建物内滞留者数分布を高精度に把握することは困難であると考えられてきた。本研究では,建物内に多数設置した赤外線人感センサをネットワーク化することで,赤外線人感センサから「検知範囲内における人の有無」だけでなく,「出発地点・到着地点」などの情報を取得,従来は困難であった滞留者数分布を推定する。 今年度は,分析対象建物の共用部において,建物内で想定される主要な移動を感知できるよう,多数の赤外線人感センサユニットを多数設置した。各センサユニットは,赤外線人感センサ(HC-SR501)と小型コンピュータ(Raspberry Pi)からなるものを自作した。また,建物の出入口においては,通過人数を正確に把握するため,より高精度なセンサを別途設置した。さらに,平常時における歩行軌跡データ,および,それに対応する赤外線人感センサの挙動データを取得するための観測調査を実施した。 さらに,歩行者と赤外線人感センサの挙動を記述する簡易的なシミュレーションモデルと構築し,シミュレーションから得られたセンサ信号の時刻推移から建物内廊下における移動者数を一定の精度で推定可能であることを示した。しかし,提案手法では,(1)誤検知や検知漏れなどを含む実際のセンサ挙動下における移動者の推定や,(2)すれ違いを含む複数の歩行が同時発生した際の移動者の推定は困難であり,機械学習などを用いた移動者数推定モデルの構築は,今後の課題である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分析対象建物へ予定数のセンサユニットを設置し,観測システムの構築を終了した。
|
Strategy for Future Research Activity |
前述の通り,観測システムの構築を終了し,研究実施計画の通り,順調に進捗している。 しかし,分析対象建物が2023年秋に取り壊しとなることが判明した。2023年度上半期に,今後の分析に必要な人流データおよび赤外線人感センサデータを取得する必要がある。 また,建物内滞留者数分布を推定する機械学習モデルの構築についても,同時に検討を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
観測システムの構築に注力し、初年度に購入予定であったWorkstationの購入を見送ったため。取得データの分析および機械学習モデルの構築に着手する次年度は,当該Workstationを購入する。
|