2022 Fiscal Year Research-status Report
シナリオプランニングを用いたまちづくりワークショップ手法と情報データベースの開発
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22K14403
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
阿部 俊彦 立命館大学, 理工学部, 准教授 (00608466)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | まちづくり / ワークショップ / シナリオプラニング / 情報データベース / 地理情報システム / 住民参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度は、対象地区を選定し、「シナリオプランニングを用いたまちづくりワークショップ」を試行することにより一定の効果があることを把握し、次年度における「まちづくり情報データベース」の開発を行うための基礎的な研究を実施した。 ステップ1として、都市計画分野における参加のまちづくり手法に関する既往研究、ワークショップの事例、シナリオプランニングに関する取り組み事例を調査した。その結果として、昨今では、各地で、計画策定の際に、住民参加型のワークショップが多用されている一方で、新たな技術開発が滞っていることが明らかになった。また、コロナ禍により、対面によるワークショップの開催の重要性が認識される一方で、感染症対策に課題があることが把握できた。 ステップ2として、ケーススタディ地区において、シナリオプラニング型のワークショップのプログラムを検討し、プレワークショップを行い、プログラムの内容の調整を図った。南草津駅前エリアでは、10年から20年後の駅に隣接する複合施設のリニューアルを見据えて、駅前エリアに必要な都市機能と、複合施設に必要な用途やスペースについて検討するワークショップを実施した。矢橋帰帆島エリアでは、10年から20年後の下水処理施設における未利用スペースや水路沿いの船着場などの公共空間のリニューアル整備について検討するワークショップを実施した。 ステップ3として、スマートシティなどの情報データベースの事例を調査した。先進事例としては、加古川市などで運用されているDECIDIMや、新宿区戸塚地区の事前復興データベースなどがあげられる。これらを踏まえて、まちづくり情報データベースのフレームを検討し、今回は、矢橋帰帆島のワークショップの成果の情報データベースの試作版を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究を開始した時点では、COVID-19に対する対策など、対面でのワークショップの開催、ヒアリング調査・行政と地域住民による協議を伴う作業の実施時期が遅れる可能性も想定されたが、対策を行い、行政と地域住民の理解も得られたため、予定通り、ワークショップを開催することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は、1年目に試行した2地区でのシナリオプランニング型のワークショップを踏まえて、本格的にワークショップを実施し、その結果の整理と分析を行う。 また、1年目に試作した情報データベースの試作版にさらなる情報を追加しつつ、システムの見直しを行った上で、行政職員や地域住民に閲覧および利用してもらい、情報データベースの有効性を検証する。 以上の研究成果の一部を学会大会や論文集などで報告する準備を行う。
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Causes of Carryover |
当初は、1年目に、情報データベースの制作に必要な新たなソフトを選定し、購入した上で、試作する予定であったが、初年度は、元々、当該研究者が使用しているソフトで対応した。また、シナリオプランニングワークショップの実施事例の調査は、先進事例の現地に行きヒアリングを実施する予定であったが、初年度は、メールでのヒアリングなどで対応した。 2年目は、当初から予定している研究を遂行する上で必要となる助成金に加えて、初年度に予定していた新しいソフトの購入及び、現地調査を実施するために、次年度使用額(B-A)の助成金を使用する予定である。
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