2022 Fiscal Year Research-status Report
浮体式洋上風力発電施設における長期係留健全性評価のための摩耗量推定手法の高度化
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22K14428
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
武内 崇晃 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (80899980)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 係留鎖摩耗 / 長期摩耗推定 / 有限要素解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
急深な海に囲まれた我が国において導入が期待される浮体式洋上風力発電では,その定点保持に使用される係留設備が浮体運動に伴い係留鎖が摩耗することが懸念されることから,定期検査の合理化やメンテナンスコストの低減などが課題となっている.本研究では,これらの達成に向け定量的な摩耗量推定手法の高度化を目的としている. 本年度は,(1)有限要素(FE)解析による係留鎖間摩耗試験結果の再現手法の確立,(2)摩耗試験では再現困難な転がり運動を考慮したFE解析による長期摩耗解析手法の開発を目的とした.(1)について,係留鎖材料摩耗試験から3Dスキャナーを用いて取得した摩耗形状を考慮してFE解析を実施したが,摩耗形状を再現しても摩耗量を正確に推定できないことが判明した.これは材料試験から得られる摩耗係数の問題や,摩耗量が荷重と摺動距離に単純比例するとした摩耗量推定式の問題が考えられたため,研究計画を一部変更し,係留鎖材料摩耗試験を新たに実施することとした.摩耗量の荷重・摺動距離依存性の解明と,これまで実施できなかった実働荷重に近い条件での摩耗試験を可能とする,摩耗試験機の設計・開発に本年度から取り組み,次年度以降試験を開始予定である. (2)については,摩耗による要素体積の減少が再現可能なMSC. Marcの摩耗解析機能を用いて,摩耗した解析モデルをリメッシングすることで長期摩耗の再現を行った.本年度,この長期摩耗解析では摩耗係数を人為的に増加させることで摩耗を加速させた解析を行ったが,精度検証が未達成の為,次年度以降,上述した係留鎖材料試験との比較検証を実施し,解析条件の最適化やメッシュの仕様等を決定する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
材料摩耗試験による係留鎖の摩耗特性の把握が必要となり,摩耗試験機の開発と試験実施が研究計画に追加されが,本年度の目標は概ね達成されている.
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Strategy for Future Research Activity |
材料摩耗試験の実施に伴い研究計画の一部追加・変更を行う.材料摩耗試験を申請時の研究計画と並行して実施し,FE摩耗解析の精度検証および高度化を図る. 浮体-係留系の動解析において,係留鎖間に生じる摺動角と張力の変動範囲を取得し,長期摩耗解析を実施することで,長期にわたる摩耗量推定が可能な推定式を得る.また,長期摩耗解析と決定したパラメタを用いたFE解析から摩耗痕形状を取得し,摩耗痕曲面の数学的表現の確立を目指す.
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Causes of Carryover |
係留鎖材料摩耗試験実施により研究計画に一部変更が生じたため未使用が生じた.この未使用額は2023年度に摩耗試験のための試験機製作や試験実施のために使用する予定である.
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