2023 Fiscal Year Research-status Report
The development of nonlinear ship-tank coupling simulation system under high wave condition considering the nonlinear tank load
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22K14435
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
馬 沖 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 主任研究員 (30773197)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 粒子法 / SPH / 船体運動 / スロッシング / 非線形 / 連成解析 / 縦曲げモーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
① 前年度に構築された GPGPU サーバーを活用し、粒子法を用いて、複数の波条件下で非線形船体運動を計算した。 R4年度には、「Dummy Particle Condition」と呼ばれる新しい境界条件を粒子法モデルに導入することで、モデルを改良し、船体運動の計算精度を向上させた。R5年度には、元の粒子法モデルと改良されたモデルの両方を用いて、複数の波条件下で船体運動の大規模数値計算を実施した。模型実験データとパネル法の計算結果を比較することで、2つの粒子法の計算特性を検討した。波高による船体運動の非線形性について議論し、粒子法の適用性を評価した。全ての波条件下で改良された粒子法が元の粒子法モデルよりも高い計算精度を達成したことを確認した。また、元粒子法モデルでは見られなかった、計算精度と波高/粒子サイズの関係性を、改良された粒子法モデルでは明らかにした。
② 粒子法を用いて、船体の縦曲げモーメントを計算した。 大波高中の非線形流体荷重により、船体損傷が生じる可能性があり、海難事故につながると考えられる。R5年度には、粒子法の計算から得られた船体周囲の水圧を積分し、非線形船体の縦曲げモーメントの計算方法を検討し、複数の船体断面の非線形縦曲げモーメントを計算した。模型実験値と従来のパネル法の計算結果と比較することにより、粒子法の予測精度を検証した。粒子法は、特に船首や船尾など非線形応答が強い断面を含む全ての断面の縦曲げモーメントを正しく予測できた。改良された粒子法モデルが、元の粒子法モデルを上回ることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画のとおり、多数波条件の大規模計算により、非線形船体運動の予測に対す粒子法の適応性を検討した。本研究で改良された粒子法を用いて、全波条件下の船体運動の予測精度を改善できた。 また、改良した粒子法モデルを用いて、船体周囲の水圧分布を検討した。さらに、船体周囲の水圧の積分値に基づいて、船体縦曲げモーメント分布を計算し、実験値との比較により、改良したモデルの予測精度を検証した。 研究成果として、査読付き国際学会で論文(Proccedings)2件を発表した。ジャーナル論文1件を投稿した(現在査読中)。
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Strategy for Future Research Activity |
① 粒子法に関する最新理論を引き続き調査し、本研究で開発した粒子法モデルに導入する。 ② 粒子法を用いて、船体運動とタンク内流体応答を連成した数値モデルを作成する。 ③ 模型実験により、②で作成した連成モデルの計算精度を検証する。 ④ 本研究課題に関して、様々な成果が得られているので、ジャーナルや国際会議を中心として、成果発表にも努める。
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Causes of Carryover |
当初は数値計算用GPUを四つ購入する計画をしていたが、他の研究予算で2台分の検証用GPUを購入した。R6年度には残りの予算を利用して、R6年度で発売される見込みの最新のGPUと他の関連計算部品を追加する予定である。また、模型実験を検討しているため、模型作成費用も含まれている。さらに、研究成果を発表するために、論文投稿料、学会参加費と学会参加のための出張費用も計上した。
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