2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of prediction for novel aftertreatment performance of methane slip using active site model of methane oxidation catalyst
Project/Area Number |
22K14436
|
Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
新田 好古 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (50608627)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | ガスエンジン / メタンスリップ / メタン酸化反応 / パラジウム触媒 / 性能予測 / 吸着 / 活性点 |
Outline of Annual Research Achievements |
舶用ガスエンジンは、温室効果が高いメタンスリップの懸念がある。その対策として、メタン酸化能力の高い、白金系貴金属を用いたメタン酸化触媒(以下、触媒)を用いた排気後処理技術の研究開発が進められている。一方で、その適用にあたっては舶用ガスエンジンの運転条件に伴う排気組成の変化により、反応場である活性点に阻害物質が吸着しメタン酸化反応を阻害する現象や、低い排気温度が複合することで、メタン酸化反応の反応速度が低下し、安定した触媒性能の発揮が厳しくなる問題がある。本研究は、舶用ガスエンジン排気中の触媒の性能を精度よく予測するため、詳細化学反応速度モデリング及びシミュレーションDETCHEMを用いて、申請者が開発した活性点評価法より得られた触媒の活性点量をモデル化し、活性点量の実測値をベースとした新しい触媒の性能予測法の構築を目指す。
R4年度は,実排気及び模擬排気を用いて、舶用ガスエンジンの各排気組成及び温度が触媒性能に与える影響を実験的に調査した。この結果、実排気に含まれる水分及びNOxの吸着により性能低下が起こること、COの共存及びメタンの発熱により性能が向上することが確認された。これらの結果とりまとめ、日本機械学会が主催するCOMODIA2022にて発表した。また、これらの結果を実際のガスエンジンの運転に応用するため、実排気中における触媒性能を改善するガスエンジンの運転方法を提案し、その効果を実験的に検証した。この結果、ガスエンジンの空気過剰率を変化させ、排気中のメタン及びNOx濃度を変化させることにより、負荷率75%におけるメタン酸化性能を7%ポイント程度改善することを確認し、成果を英文投稿論文にとりまとめた。R5年度は、これらの実験結果を理論的に検証するため、触媒反応モデルを構築し数値解析を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調である。R4年度は,実験的検討及び触媒反応の数値解析に向けた準備を進めた。触媒反応の数値解析に用いる詳細化学反応速度モデリング及びシミュレーションDETCHEMの購入は完了したものの、ワークステーションの購入に関しては、世界的な物流の混乱に伴う物品の調達困難及び価格の上昇のため、予定していた機種の購入を見送ったことから、当初の計画と比べて少し遅れがある。 一方で、実排気及び模擬排気を用いた触媒性能の実験的な検討を進めたことで、日本機械学会が主催するCOMODIA2022にて発表し、さらに研究を進めて成果を英文投稿論文にとりまとめることができた。このため、実験的な検討については、計画以上に順調な進捗及び成果が得られており、今後の触媒反応の数値解析の検討進める上で、基礎的な知見が十分に得られたものと考える。よって、全体としては概ね順調な進捗にあると評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
R4年度は,実排気及び模擬排気を用いて、舶用ガスエンジンの各排気組成及び温度が触媒性能に与える影響を実験的に調査した。また、実際のガスエンジンにおいて、空気過剰率を変化させ、排気中のメタン及びNOx濃度を変化させることにより、触媒のメタン酸化性能を改善することを確認した。R5年度は、これらの実験結果において得られた知見をベースに、各排気組成やメタン酸化に伴う発熱の影響が、触媒の性能にどの程度寄与するかを理論的に検証するため、触媒モデルを構築し数値解析を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
R4年度は,実験的検討及び触媒反応の数値解析に向けた準備を進めた。触媒反応の数値解析に用いる詳細化学反応速度モデリング及びシミュレーションDETCHEMの購入は完了したものの、ワークステーションの購入に関しては、世界的な物流の混乱に伴う半導体等の不足などの物品の調達困難及び価格の上昇のため、予定していた機種の購入を見送ったことから、当初の計画と比べて遅れがある。現在、市況が落ち着きつつあることから、ワークステーションのスペックについて十分な仕様について、試計算を進めながら再検討を行っており、今年度の物品費と合わせて必要十分な機器の選定及び購入の計画を進めている。
|
Research Products
(2 results)