2023 Fiscal Year Research-status Report
再生可能エネルギー大量導入のための2050年地域別ZEV運用モデルの構築
Project/Area Number |
22K14437
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
秋元 祐太朗 筑波大学, システム情報系, 助教 (30793947)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 太陽光発電 / ゼロエミッション自動車 / 電気自動車 / 地域循環共生圏 / エージェントシミュレーション / モンテカルロシミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は2050年カーボンニュートラル達成のために再生可能エネルギーとゼロエミッション自動車を連携させ、現在から将来までの日本各地の運用モデルを構築し、達成への道筋を示すことである。2022年度は電力需要や再生可能エネルギーのポテンシャル、人口の異なる都市と地方の分析を行い、各地域に適した運用システムを明らかにする。 (1)都市と地方の融通可能性評価 昨年度、都市と地方を県内再生可能エネルギー自給率の観点から評価した。そして、大都市は周辺の再エネポテンシャルが大きい地方からの融通をしていく必要性が示唆された。本年度は各地域の都市化レベルについて評価を行い、都市と地方の関係を定量化した。評価実施地域としては茨城県内および横浜市と再エネ連携協定地域を対象とし比較を行った。茨城県内では、経済発展の指標が高い守谷市、都市建設指標の高いひたちなか市、社会発展の指標が高いつくば市が、県内のほかの地域に比べ都市化レベルが高い結果となったが、横浜市と比較すると都市化レベルが低い。融通を行う上では、都市と地方だけでなく、大都市を評価する必要性があることが分かった。 (2)太陽光発電とEVの連携に関する評価について 昨年度、再エネ・EV導入可能性を評価した。本年度は太陽光発電およびEVそれぞれが持つ不確実性について、エージェントシミュレーションとモンテカルロシミュレーションの2つの手法により評価した。前者ではシナリオを設定し、何も制限を与えない場合に、太陽光発電の利用率が0~100%まで大きく変動する地域がでてしまうことを示唆した。また充電方法によって電力需要に与える影響を明らかにした。後者では、走行距離や充電頻度を確率分布で定義することによって、これまでの固定値での評価との比較を行った。また、それぞれ年代別にも評価し、EVだけでは太陽光発電を吸収できないことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
年度当初に申請した交付申請書に記載の内容を達成している。 2023年度はエネルギーの融通について地方と都市において分析した。また、太陽光発電とEVの連携について地域によって利用率変動する可能性や確率としての評価方法を提案した。また、エージェントシミュレーションについては前倒しで行っている。 2024年度は、当初の予定通り、最適化分析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
地域別の分析や太陽光発電とEVに関するエージェントシミュレーションを行ってきた。今後は着手していない最適化分析について行っていく。具体的には、これまでの地域分析およびシミュレーションをもとに、最適化シミュレーションについて行う。最適化指標としては、蓄電量、コスト、待ち時間を考えており、現在、研究着手に向け体制構築中である。
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