2022 Fiscal Year Research-status Report
Voice interactive safety system robust for noisy environment
Project/Area Number |
22K14447
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
横田 和哉 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (10898349)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 音声強調 / 音声認識 / 声質変換 / 安全システム / VRシミュレータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、騒音環境下で使用される作業機械において、人間と作業機械の間で音声対話型の安全情報伝達を可能とすることを目的して研究を行った。具体的には、作業機械という条件設定に適した騒音低減・音声強調手法の開発と、その手法の妥当性を確認するクレーン操作シミュレータの開発に取り組んだ。 騒音低減・音声強調に関しては、機械学習を用いた音声強調手法について、スペクトログラムの種類による品質の違いについて評価を行った。一般的に用いられているメルスペクトログラムに対し、線形スペクトログラムを用いた音声強調では、本研究課題で設定する作業機械という状況下において、主観評価で高い評価を得る傾向を確認した。 クレーン操作シミュレータに関しては、VRヘッドマウントディスプレイを用いて仮想空間内のクレーンを操作するシミュレータの試作を行った。また、シミュレータに自動運転による危険回避操作システムを統合した。試作した危険回避操作システムを用いることで、人間の操作と比較して、特定の危険状況下から短時間で安全状態に復帰することを、荷役作業シミュレーションにより確認した。また音声対話型の安全情報伝達システムの実証基盤として、運転室前方のヘッドアップディスプレイに安全情報を表示するシステムの試作を行った。 また、音声対話型安全情報伝達システムの評価指標として、シミュレータ内で視線計測を用いて疲労度等を定量的に評価するシステムを実装した。以上より、本研究課題で開発する音声対話型安全情報伝達システムの基盤を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
能動音響制御、および線形スペクトログラムを用いた音声強調アルゴリズムの実装を行い、騒音低減効果を確認することができた。世界的な部品不足の影響により、データ収集システム(DAQ)の納品が遅れたため、スピーカ・マイクを用いた実験を行うことができなかったが、先行してVRクレーン操作シミュレータの高度化に取り組んだ。シミュレータに関しては、ヘッドアップディスプレイ型安全情報表示システム、および自動運転による危険操作回避システムの実装を行い、本研究で開発する音声対話型安全情報伝達システムの妥当性を確認する基盤を構築した。以上から、全体としておおむね順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
音声対話型安全情報伝達システムの妥当性を確認するために、シミュレータの実機運転周囲に騒音を再現するためのスピーカーを備えた実験装置を作成する。騒音の大きさや位置、人間の発声音量など、種々の条件下でデータを取得する。騒音の影響が大きい条件下では音声強調に困難が生じることが予想されるが、その都度アルゴリズムの改良を行い、騒音に対してロバストなシステムの構築を行う。また同時に、音声対話型のシステムに適した安全情報伝達を行えるよう、クレーン操作シミュレータの評価と改良を行う。
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Causes of Carryover |
成果発表に関する旅費が想定より少額であったため、若干の次年度使用額が生じている。 使用計画として、今後の成果発表に充当する予定である。
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