2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of postural stability evaluation method based on working motion analysis using feature extraction
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22K14451
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health,Japan |
Principal Investigator |
平内 和樹 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 新技術安全研究グループ, 任期付研究員 (00907826)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 姿勢動揺 / 操作力 / COM / COP / 床反力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,工具のすっぽ抜けなどのように加えられた力に拮抗する反力が突発的に消失して姿勢バランスを崩すような事例を模した実験を実施し,作業姿勢,床反力,操作力の関係について明らかにした. 本年度の実験では,ハンドルを押す作業において所定の閾値以上の操作力を加えると,押し方向にハンドルが移動する実験装置を使用し,操作力の閾値と押し作業時の足の配置を実験条件として変更した際の作業姿勢,床反力,操作力について計測した.重心(COM)の位置変化量と速度を重心動揺の評価指標,床反力作用点(COP)の位置変化量,床反力と操作力の水平方向成分の差の力積(水平力差分力積)が姿勢制御の入力因子となると仮定し,実験条件が姿勢動揺に与える影響を評価した.結果として,突発的な操作反力消失時のCOMとCOPの位置変化量が,足を前に踏み出して押し作業を実施することで減少した.また,発揮する操作力の増加に伴い,突発的な操作反力消失発生前のCOM位置変化量,水平力差分力積,さらに主観的な姿勢の不安定感が増加した.これらの結果に基づいて本研究では,突発的な操作反力消失を伴う押し作業において,足を前に踏み出すことが姿勢動揺を抑制し,発揮する操作力の増加がより大きな姿勢動揺を引き起こすことを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,より明らかな姿勢動揺を誘発するために,操作力に対する反力が突発的に消失して姿勢バランスを崩すような現象を対象とし,姿勢動揺発生時の姿勢安定化戦略について特徴抽出手法を用いて姿勢動揺指標と関連付けて評価する予定であった.しかし,突発的な操作反力消失時の姿勢動揺について十分な基礎的知見がなかったため,発揮している操作力の大きさや押し作業時の足の配置が姿勢動揺に与える影響を明らかにすることを優先した.本年度得られた作業姿勢データを用いて,姿勢動揺の大きさと作業動作特徴の関係を検討することが可能になるため,次年度で特徴抽出手法の構築に取り組み,この遅れは回復できると想定している.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度実施した実験で取得した作業姿勢データに対し,スパースモデリングをはじめとする特徴抽出手法を適用し,姿勢動揺の大きさに関連する特徴的な関節の動作を特定し,姿勢安定性との関係について明らかにする. また,本年度と同じ実験装置を用いて,突発的な操作反力消失の経験が以降の動作に与える影響について特徴抽出手法を用いた動作解析に基づいて評価し,姿勢安定性との関係について明らかにする.さらに,姿勢保持中の姿勢安定性に寄与する動作の特徴を抽出するための特徴抽出手法の構築を行うために,足場条件等を変更した荷物保持動作を模した実験を実施する.
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Causes of Carryover |
当初,慣性式のモーションキャプチャシステムを購入して動作の測定に使用する予定であった.しかし,半導体の供給不足や,購入予定であったモデルが新しいモデルに刷新されたことにより価格が大幅に増加し,購入が困難となり,差額が生じた.次年度実施予定の実験で実験参加者のリクルーティングを募集代行業者へ委託することを想定しているため,この差額も含めて使用することで適切に遂行する計画である.
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